自主、平和、公平なヨーロッパをめざして

―チュチェ思想ヨーロッパ地域セミナーをローマで開催 ―





 10月7日、ローマにおいて「現代世界における自主と平和」をテーマにチュチェ思想ヨーロッパ地域セミナーがヨーロッパ・チュチェ思想研究学会の主催により開かれました。
 セミナーには、イタリア各地のチュチェ思想研究者および、フランス、フィンランド、ロシア、ルーマニア、イギリス、ドイツのチュチェ思想研究組織の代表が集いました。
 また、チュチェ思想国際研究所事務局長一行、朝鮮社会科学者協会代表団が参加しました。
 セミナーの司会進行は、ヨーロッパ・チュチェ思想研究学会書記長であり、イタリア、ペルージャ外国人大学教授のマッテオ・カルボネリ氏がおこないました。
 報告は同学会会長でパリ大学名誉教授のエドモン・ジューブ氏がおこない、こんにち、ヨーロッパをはじめ世界の多くの国々の利益と安全が侵害されているとし、各国が自主的立場を堅持することの重要性を強調しました。
 また、朝鮮が自己の技術と資源に依拠しながら、自力でチュチェの軍事力を構築し、米国のいかなる威嚇・制裁にたいしてもいささかもゆらぐことなく、自主の道、先軍の道、社会主義の道をすすんでいるとし、これはチュチェ思想の勝利であると述べました。
 チュチェ思想国際研究所事務局長の尾上健一氏は、「反帝自主を主導する朝鮮との連帯は世界平和への道」と題して、対米従属が世界にもたらす戦争と不正義および反帝自主の道を堂々と歩む朝鮮についてスピーチをおこないました。
 尾上健一事務局長は、第二次世界大戦後、米国中心の世界支配がつづくなか、米国に従属して生きることに慣れてきた各国の姿があらわれていると、こんにちの世界について指摘したうえで、ただひとり米国に従属することなく主権国家としての尊厳を守り、自主的に生きるための政治的、思想的、軍事的担保をもつようになった国が朝鮮であると述べました。
 そして、朝鮮のすすむ道は、世界人民にとっての指針であり、励ましとなることはあっても、脅威になるものではないとしながら、朝鮮人民のたたかいに連帯し、自主的で平和な世界をつくるためにたたかっていかなければならないと述べました。
 イタリア・キエチ大学教授であるアルド・ベルナルディニ氏は、第二次世界大戦後、とりわけ1991年のソ連社会主義の崩壊からこんにちにいたるまでの国際政治の動きについて述べました。
 そして、自主の道を歩む朝鮮にたいし、米国を頭目とする帝国主義諸国からの圧力が激化していくなか、朝鮮が1995年に核拡散防止条約から脱退するようになった経緯や2000年代にはいって核を保有するようになった背景について解説したうえで、朝鮮との連帯の重要性を強調しました。
 セミナーではまた、ヨーロッパ各国代表がスピーチをおこない、各国の実情とチュチェ思想を研究普及することの意義について述べました。
 来賓として、朝鮮社会科学者協会事務局副局長が祝賀のあいさつを述べました。
 マッテオ・カルボネリ書記長は閉会のあいさつのなかで、セミナー開催の意義を述べながら、主催者を代表して参加者に謝意を表しました。
 セミナーは、こんにちの情勢を正しくとらえ、チュチェ思想、金日成金正日主義にたいする理解を深める契機となりました。

ヨーロッパ・チュチェ思想研究学会の新副理事長を選出


 セミナー終了後、ヨーロッパ・チュチェ思想研究学会理事会第12回会議がローマで開かれました。
 会議の冒頭、今年1月に逝去された、ヨーロッパ・チュチェ思想研究学会副理事長を長いあいだ務めたデンマーク・ロスキレ大学名誉教授のブルーノ・アモロソ氏に哀悼の意を表し、黙とうがささげられました。
 会議では、ヨーロッパ各国におけるチュチェ思想研究普及の状況と成果、今後の課題について活発な意見が交わされました。
 また、マッテオ・カルボネリ書記長から同理事会副理事長の選出について提案があり、フィンランド・チュチェ思想研究会会長でチュチェ思想国際研究所理事のユハ・キエクシ氏の就任が満場一致で承認されました。