メキシコの発展と自主化のために
 チュチェ思想国際研究所理事長
 ラモン・ヒメネス・ロペス


 今年はメキシコ人民の人生とその未来、将来の世代にたいする大いなる熱狂とともにはじまった。何百万のメキシコ人民の繁栄と自主化した国家建設への熱望に動かされて、われわれは意識的、自立的、創造的に潜在能力を発揮させる可能性を手にした。
 わずか1ヵ月の就任期間にロペス・オブラドール大統領の実施した活動は今後多くのものが生みだされることを感じさせる。それらの成果は、従来の社会状況であれば数?月あるいは1年以上かかるものであったろう。
 1日の業務は1週間分をこなすスピードでおこなわれ、12年相当分を6年間で実現する計画と一致する(ここで思いおこされるのは、金日成主席をはじめ朝鮮民主主義人民共和国の指導者たちが、1日に千里を走る伝説上の馬である千里馬の速度で、すなわち最短時間で、最大の成果―国の発展と人民の幸せ―を達成しようとしたことである)。
 新自由主義者たちが国にもたらした破滅を回避するため実施した大統領の政策の速さと、現政府が何百万ものメキシコ人民にたいして呼び起こしている熱狂で、わたしたちはこれからの6年がこれまでの18年に相当すると確信しており、その最初の年である今年、速い速度で革新がすすむことを垣間見ることができるだろう。たとえば230万人の若年層見習い雇用の創出に、さらに少なくとも約120万人が追加されることを想定しているが、これはペニャ・ニエト政権が創出(彼らの統計にしたがえば)した6年間分に相当する。
 全国に100の大学を新設する件に関しては、フォックス、カルデロン、ペニャ・ニエト政権の各6年間に建設された数を上まわる。
 電力に関しては、3年以内に、全国で必要とされる100%を民間から購入せずに供給できる可能性がある。かつてフォックス政権は36の外国企業との契約にはじまり(契約であり非立憲的)、私企業による電力生産手続きが拙速に開始された。その結果、当時わが国はCFE(連邦電力庁)とLFC(中央電灯電力公社)の2公社の電力供給能力は、必要な電力の150%であったにもかかわらず、年々減少し、現在CFEは約50%しか稼働しておらず、のこりは私企業から買い上げるようになった。
 ガソリン生産に関しては、タバスコ州ドス・ボカス港に2基の精製所建設を指示している。既存の6基の稼働とあわせれば、3年以内に確実に料金の見直しができそうだ。ガソリンは現在80%を輸入しているが、自給することが目標である。ここで重要なのは、(編集部補足:メキシコでは長年にわたって石油パイプラインから石油が盗まれる事件がおきているが)燃料窃盗根絶のための措置を迅速に実施することである。盗難されている燃料は、毎日、給油車600台(1台15000リットル搭載)に相当し、多いときは1000台分にもおよんでいると言われている。
 新自由主義者たちがもたらした国の堕落は、千里馬速度で打ち勝つことができる。なぜならこのプロセスを指揮しているのは人民と祖国を深く愛する卓抜した指導者であり、彼は何百万のメキシコ人民の心に希望の炎を灯し、メキシコ人民は祖国の変革を達成するために指導者にしたがう用意ができているからである。
 読者のみなさまのこの1年が成功にみちあふれ、オブラドール大統領とクラウディア・シェインバウム・メキシコシティ市長を筆頭にしたたたかいに、より多くの力が結集するよう願っている。
 医療について言えば、大統領は薬剤と診療に関してすべての国民が無料になるよう構想している。これは大きな質的躍進を意味し、これまでわが国の医療は世界のなかでも平均以下の水準にあったけれども、今後は特定の社会主義国やスカンジナビアの国々しか実現できていない高い水準へと引き上げることになる。それは6年の任期中にではなく、できるかぎり早急に実現されるよう計画されている。

 (モレナの新聞より抜粋。題名は編集部)