自主をつらぬき民衆第一主義ですすむ朝鮮
高知でチュチェ思想に関する学習会がおこなわれる

  6月8日、高知市においてチュチェ思想に関する学習会が開催され、教員、看護師、介護職員、労働組合関係者、会社員などが参加しました。
  はじめに、主催者を代表して、高知チュチェ思想研究会代表の大峰勝氏から、こんにち朝鮮は米国をはじめとする帝国主義諸国の「制裁」がありながらも、社会主義としての国づくりをすすめ自主をつらぬいています、今日の講演を通じて、朝鮮の国づくりを率直にお聞きし、その姿を深く理解して、わたしたちの運動も深め広げていく、そのような会にしていければと思いますと開会挨拶を述べました。
  つぎに、在日本朝鮮人総聯合会高知県本部委員長の挨拶が代読されました。
 最近の朝鮮をめぐる情勢は、朝米会談を経て新たなる段階を迎え、中国やロシアとの信頼関係を深め、紆余曲折はありながらも、東アジアにおける平和と安定にむけ着実に前進しつつあります。これまで、わたしは朝鮮半島の非核化というなら南朝鮮における米国の核も、日本における米国の核をふくめ極東アジアにおける米国の軍事的脅威や莫大な軍事費負担問題も、同時に解決されなければならない問題だと主張してきました。日本のマスコミ等では、朝鮮半島ではなく「北朝鮮の非核化」という表現をしていますが、今後も朝鮮にたいする敵視政策を強化していくことが懸念されます。今後ともわたしたちは、2002年の朝日平壌宣言にもとづき双方の諸問題をいちはやく解決し、真の国交正常化にむけ奮闘していく所存です。ともにがんばりましょう。
  つぎに、チュチェ思想国際研究所の尾上健一事務局長から「自力更生で経済を発展させ自主平和を実現する朝鮮」と題して講演がおこなわれました。
  講演では、二度にわたる朝米首脳会談、祖国統一と社会主義建設を力強く推進している金正恩委員長の思想と政治、朝鮮社会主義の優越性について以下のように述べました。
 
きびしい歴史のなかで生まれた自主をうちたてる思想
 
 朝鮮の歴史をふりかえると、かつては中国の属国でした。その後中国から解放されると、つぎは日本帝国主義の植民地になりました。日本の植民地支配から解放された後でもこんにちまで南半部は米国に支配されています。
 朝鮮は、米国や中日ロの周辺大国の利害関係に翻弄されるという歴史的、地政学的にきびしい環境のなかで生きてきました。そのため国内では中国派、ロシア派、日本派などがつぎつぎとうまれるようになり、長い間、強い大国に従属して生きていこうとする人たちが後をたたなかったのです。
 大国に翻弄される朝鮮の歴史のなかで生まれてきたのが「自主」の思想です。「自主を打ち立てて生きる」というのはもっともむずかしいことです。ほとんどの人たちがどこか大きな国に頼って生きていこうとしていたのです。
 きびしいことであったとしても朝鮮は、自主路線を政策としてもっとも重要視しています。
 チュチェ思想の内容は大きく二つだといえます。一つは自主を打ち立てるということであり、もう一つは民衆第一主義を打ち立てるということです。
 
美しく輝き強固な社会主義をきずく
 
 今年四月、金正恩委員長が最高人民会議で施政方針演説をおこない、国家の基本的な方針を発表しました。ここに朝鮮がめざすべき総論的、基調的なことが書かれています。
 施政方針演説では、全社会の金日成金正日主義化の旗をかかげて社会主義偉業を達成することが共和国政府に提起される歴史的任務であると提起しています。
 金日成金正日主義とは、一言でいえば金日成主席と金正日総書記の思想の全体系を指します。
 全社会の金日成金正日主義化を実現するうえで提起される基本課題は、社会主義強国建設偉業を達成することです。
 美しく輝き、かつ強固な社会主義を実現することが朝鮮の第一の基本課題だと述べました。
 
搾取と特別剰余価値の追求が資本主義の本質
 
 資本主義の本質は、搾取と特別剰余価値の追求です。
 資本主義経済の発展のスピードをはやめるのが特別剰余価値です。
 特別剰余価値とは、新しい発明や技術によって生みだす特別の価値のことです。
 昨年ノーベル医学生理学賞を受賞した京都大学の本庶佑名誉教授がいま小野薬品工業と新薬の対価をめぐり争っています。本庶名誉教授は、自分ががん免疫療法に役立つ研究をおこなったことにより新薬が開発された、自分の発明の対価は、1000億円に匹敵すると主張しています。
 最初に新薬を開発した製薬会社は、他の会社がまねるまでの期間、特別剰余価値を形成して、企業によっては何兆円という規模で儲かっていくわけです。
 いま米国に行っていた科学技術者たちがみな中国に帰国していっています。これまで米国の科学技術発展は実は、米国人によってではなく中国人とインド人によってほとんど支えられてきていました。中国が米国以上の給料を提示して、中国人をほとんど本国に戻しました。米国のアップル社等々は、いまインドに行って、インドの大学から人材をえようとしています。
 金日成金正日主義化とは、すばらしい社会主義をつくることであり、そのために自主の革命路線を貫徹し、民衆第一主義を具現するということです。
 
祖国統一と平和を願う朝鮮人民
 
 朝鮮は米国と対話して、平和的方法で祖国を統一し、平和な世界をつくりたいと願っています。
 金正恩委員長は、中国、韓国、ロシアの首脳と何度も会い、トランプ大統領にも二回会いました。
 朝鮮は、ハノイ会談の直前に米国が核実験をおこなったことを知っていました。米国の政策はかわっていないのです。
 朝鮮は六月になってアメリカが敵視政策に執着しつづけるなら、朝米共同声明の運命は守られないという談話を発表しました。
 施政方針演説でも金正恩委員長は年末まで米国の動きをみる、そして米国が動かないのなら、朝鮮はそれ相応の対応をしていくと述べました。戦争をしかけられても、十分反撃する体制をとるということです。
 
生活に根づき政治に関わる
 
  参加者からは、朝鮮問題に敏感であることが自分たちにとってひじょうに大切だと共感した、自主路線で民衆第一主義が大切であることがわかった、普段の職場などからも排外主義的な面を感じる、自分たち自身が競争を強いられており、立場の弱い人が追い込まれている、日本をどうとらえるのかあらためて考えることができた、最近のメディアをみると政治に関心をもたさないようにしている、若い人たちが政治的なことに鈍感になっていると感じる、社会主義にたいする確信をあらためてもつことができた、きちんと施政方針演説を学習したいと思ったなどと感想が述べられました。
 自主路線と民衆第一主義で発展する朝鮮をよく理解するとともに、日本の運動を主体的に前進させていくことが、いまこそ求められています。