日本の敗戦から78年
岸田政権の戦争策動に反対し 朝鮮との友好を

8月15日、78回目の敗戦記念日を迎えるにあたり、各地では平和に関する集いが開かれています。

7月9日、東京においてチュチェ思想に関する研究会がおこなわれ、チュチェ思想国際研究所の尾上健一事務局長が講演をおこないました。

講演では、日本が過去の侵略戦争を反省せず、米国との従属的同盟関係のなかで新たな戦争にふみだそうとしていること、朝鮮敵視をあおるための反動的な政治宣伝に惑わされず、チュチェ思想を研究普及し、人々の自主性を実現するための活動を力強くおし進めていくことについて話されました。

帝国主義は侵略と略奪をくりかえしてきた

冷戦崩壊後の世界において、帝国主義者は侵略戦争をおこなう前段として大々的なプロパガンダをおこなっています。

たとえば、2003年3月、米国はイラク戦争を開始するまえに、イラクが大量破壊兵器を保有していると宣伝しました。徹底して武装解除されたイラクは、米国の攻撃により破壊しつくされフセイン政権も倒されました。このような事例は枚挙にいとまがありません。

今日においては、いわゆる「拉致問題」を理由として朝鮮にたいする悪宣伝が強められており、それが日米帝国主義の戦争犯罪を覆いかくし、正当化するものとなっています。

帝国主義は侵略と略奪を本性としており、たえず戦争をしながら世界を支配しようとしてきました。

日本は1868年の明治維新以後、朝鮮にたいする侵略をもくろみ、短期間のうちに朝鮮にたいする権益を手にするようになりました。

1910年、日韓条約の施行により、日本は朝鮮を植民地支配しました。

日中戦争が開始された1937年以降は、日本の侵略戦争に朝鮮人を総動員するための皇民化政策、軍需物資の動員、人員動員が強力におこなわれるようになりました。

日本は840万人の朝鮮人を強制連行し、そのうち100万人が殺されました。「従軍慰安婦」とされた朝鮮女性は20万人にのぼります。

朝鮮人にたいする強制連行は、日本が国家的、組織的におこなったことであるにも関わらず、日本は謝罪も補償も一切おこなっていません。

日朝関係を考えるとき、日本の植民地支配により、朝鮮人に多大な損害と苦痛を与えたことを忘れてはなりません。

日朝首脳会談を契機として朝鮮バッシングが強まる

2002年9月17日、小泉純一郎首相(当時)が訪朝し、初めて日朝首脳会談がおこなわれました。

長年にわたって敵対的関係にあった両国が、対話のテーブルにつき、国交正常化に向けて協議すると約束したことを、多くの人は歓迎しました。

ところが、朝鮮が「拉致」被害者の安否について「生存5名、死亡8名、未入境2名」と明らかにしたことを契機として、朝鮮にたいする非難が強まり、徹底して朝鮮バッシングがおこなわれるようになりました。

朝鮮は、「拉致」=強制連行があったことを公式に謝罪し、生存者の帰国や安否不明者に関する再調査など、誠意をつくしてきました。

強制連行はどのような理由があっても許されないことです。

しかし、過去におこった問題を解決するためには、双方が約束したことを守りながら対話し、信頼関係を強めていくことが不可欠です。対話せず、相手の言っていることがすべて嘘であると決めつけていては問題解決の糸口を見つけることもできません。

強制連行被害者であった蓮池薫氏は、雑誌『世界』に「『拉致問題』風化に抗して」と題する連載をおこなっています。

蓮池薫氏は、朝鮮では限られた地域で、人との接触もほとんどないなかで生活していました。蓮池氏が書いている内容は、日本に帰国してから得た情報にもとづいており、朝鮮を非難するためのものにすぎません。

チュチェ思想は民衆第一主義の思想

チュチェ思想は人民大衆が社会歴史をつくる主人であることを明らかにしています。人民大衆が歴史をつくってきた誇りある存在です。

帝国主義者は自分たちがいちばん力のある美しく貴い存在である、貧しい国々は力が弱くおろかな存在であると宣伝しますが、その宣伝にのせられてはなりません。

チュチェ思想に学び、日本を自主平和な社会にしていこうと努力する人は、民衆の心を大切にして活動していかなくてはなりません。

チュチェ思想にもとづく活動は、人民大衆を愛し、人民大衆の未来とその力を信じて働きかけていく活動であるといえます。

朝鮮はなぜ困難な状況のなかでも主体を強くもって進んでいけるのでしょうか。

それは、何よりも指導者が人民を天より貴く、美しい力ある存在だとみて、人民大衆を一つに団結させているからです。

軍事力ではなく、一心団結した民衆の力があるから、どのような状況があっても主体を貫いていくことができるのです。

自国の力、自力を強めるというとき、人民大衆の意志と力を結集しなければなりません。

一心団結した民衆の力がつくる自主の社会

人民大衆のための国づくりをおこなうとき、経済を中心に国づくりをおこなっていこうとすると、どうしても資本主義経済の影響をうけるようになります。

経済が発展すればするほど、資本主義に近づき、貧富の格差が大きくなってしまいます。

また、国家建設の中心を担う幹部が人民大衆に服務する思想をもたないと、官僚主義や汚職などの問題が生じてきます。問題がおきたら辞めさせればよいのではなく、民衆のために献身する幹部に育てなければなりません。

チュチェ思想に深く学んで、民衆第一主義で生き活動することが重要です。誠実な生き方をうちたて、集団的に活動をおしすすめていくのがよいのです。

日米帝国主義の戦争策動に歯止めをかける

現在、日本政府は軍事費をGDP比2%にし、敵基地攻撃能力の保有を明言するなど、戦争への道をひた走っています。

朝鮮を非難し、朝鮮にたいしては何をしてもよいと言わんばかりの雰囲気をかもしだすことで、日本が米国と結託して戦争への道に踏み出そうとしていることを正当化しています。

朝鮮を標的とする日米韓合同軍事演習がくりかえされるなかで、朝鮮がICBM発射実験をおこなうことは自衛的権利としてあまりにも当然のことです。

ウクライナにおける戦争を長期化させ、際限なく武器を投入しているのも帝国主義であり、それによって米欧の軍需産業は莫大な利益を上げています。

帝国主義の戦争策動に反対し、朝鮮との友好関係をきずいていくことが重要です。