自主と正義のためのチュチェ思想セミナー
網走で開催

5月5日、網走において自主と正義のためのチュチェ思想セミナーが開かれ、北海道と全国各地のチュチェ思想研究者が参加しました。

安井郁先生の歌碑の前でカムイノミ儀礼

セミナー参加者は、セミナーの開会を前にして能取湖畔にあるチュチェ思想国際研究所初代理事長の安井郁先生の歌碑を訪ね、アイヌ民族の儀式であるカムイノミをおこなって安井郁先生の業績をしのびました。

安井郁先生は、著名な国際法学者であるとともに原水爆禁止運動の指導者として活動された実践家でした。

晩年、チュチェ思想に出会った安井先生は、チュチェ思想研究普及活動に投じられ、チュチェ思想国際研究所初代理事長の重任を担われました。

歌碑には、安井郁先生が1977年秋に訪朝し金日成主席との接見を前にして生涯の思いを青年に託して詠んだ短歌「一生かけて 抱きつづけし この夢を わが若きらに 託し目守らむ」が刻まれています。

今回、カムイノミの祭司を成田得平氏が、副祭司を豊岡アトイ氏が務めました。祭司は儀式を始めるにあたって、カムイは人間を守る神である、この地(北海道・網走)に歌碑があるということは、アイヌ民族がずっと歌碑を守ることを意味すると述べました。またチュチェ思想研究活動において大きな業績を残した安井郁先生の歌碑の前で自主の道を歩む全国の同志たちとアイヌ民族の伝統的な儀式をおこなうことは光栄なことであると語り儀式を執りおこないました。

パレスチナ人は最後までたたかう

網走市のオホーツク文化交流センターで開かれたセミナーでは最初に、在日パレスチナ人で博士のタスニム・カコラさんが帰省中のヨルダンからオンラインでスピーチしました。

カコラさんは、「ガザ、ジェノサイド」と題して、いまパレスチナで起こっていることは戦争ではなく、大量虐殺であり、民族浄化であると強調しました。そして、このような世界をそのままにすることはできない、わたしたちパレスチナ人はどこにいても最後までたたかうと述べました。

つぎに埼玉大学名誉教授の鎌倉孝夫氏が、「第3次世界戦争の危機―自主、平和な世界をどう築くか」と題してオンラインで講演しました。

鎌倉教授は、帝国主義はかならず戦争をひき起こすということについて原理的に明らかにしました。

訪朝報告とビデオ上映

セミナーでは、つぎに4月の訪朝団が取材してきた平壌の様子を編集したビデオ「新しい朝鮮」が上映されました。参加者は花が咲き誇り、高層ビルが次々に建ちあがっている街の様子に見入っていました。ビデオではまた世界各国の人々が参加した自主と正義、人類の未来に関するチュチェ思想国際セミナーの様子や参加者の交流する様子が映し出されました。

網走セミナーでは、チュチェ思想国際研究所事務局代表団の一員として訪朝した滝沢康子さんが訪朝報告をおこないました。

報告では5年ぶりに訪朝が実現し、朝鮮と世界各国のチュチェ思想研究者と再会した喜び、金正恩総書記の為民献身の思想にもとづいて社会主義建設がおしすすめられ、朝鮮人民が幸せな生活を送っていると述べ、世界各国のチュチェ思想研究者と連帯し、日本と世界の自主化のためにたたかう決意が語られました。

懇親会では日本舞踊とアイヌ民族の踊りが披露される

セミナー終了後、場所を移し、懇親会がおこなわれました。

最初にチュチェ思想国際研究所の尾上健一事務局長が挨拶をおこないました。4月に訪朝し、民衆が幸せになる社会が実現していること、金正恩総書記の革命思想が新しく体系化され、人民大衆第一主義の真髄が為民献身であると展開されていることについて述べ、今日のカムイノミにたいへん感動したと述べながら乾杯の音頭をとりました。

懇親会では、成田得平氏が「剣の舞」と題して、アイヌ民族の伝統芸能と関連して、その由来や意味について紹介しながら、アイヌ民族の歴史や独自の文化、生活、そのたたかいについて語りながら演じました。

つづいて、全国各地の民謡をメドレーにした日本舞踊や扇を使った踊りが披露されました。

会場からの発言として、チュチェ思想を学びながら北海道に根づき、アイヌ民族とともに活動する吉原秀喜氏が挨拶しました。

札幌でチュチェ思想を学ぶなかまにつづき、日本チュチェ思想研究代表団の一員として4月に訪朝した金日成金正日主義研究沖縄連絡会事務局長の儀保博己氏がつぎのように挨拶しました。

沖縄では辺野古だけではなく、あらゆるところで基地建設が進んでおり、戦争が間近に迫っているという恐怖が日増しに高まっています。

今日は指導思想の重要性を本当に感じました。沖縄に戻ったらみんなにチュチェ思想の優越性や訪朝したことを伝えて、沖縄の平和、日本と世界の平和を実現していきたいと思います。

最後に、金日成金正日主義研究群馬連絡会事務局長の藤井多栄子さんが、閉会の挨拶をおこないつぎのように述べました。

日本の岸田政権は米国の言うがままになっており、平和と協調を重要視する世界の動きに逆行しています。

自主と正義を貫く社会が人類の未来を拓いてくれると思います。チュチェ思想に学び、私たちの活動をこれからも広げていきましょう。

北海道・網走で開催された自主と正義のためのチュチェ思想セミナーは、チュチェ思想が北海道の地にも根付いていることを示していました。

参加者たちは、各地に帰り、チュチェ思想に学び活かす活動をおこなっていく決意を固めていました。