チュチェ思想国際研究所定例研究会 東京で開催
金正恩総書記の為民献身の思想と活動に学ぶ

8月18日、東京・池袋においてチュチェ思想国際研究所の定例研究会が開催されました。

定例研究会には、金日成金正日主義研究全国連絡会の住谷圭造代表世話人、チュチェ思想国際研究所の尾上健一事務局長をはじめとする全国各地のチュチェ思想研究者、朝鮮大学校の韓東成学長、日本で就労する在日外国人など各界各層の広範な人々80余名が参加しました。

定例研究会は尾上健一事務局長が司会進行をおこないました。

被災地で陣頭に立って指揮する金正恩総書記

はじめに韓東成学長が挨拶し、金正恩総書記の活動と関連してつぎのように述べました。

朝鮮で7月下旬に起きた水害に際して金正恩総書記は、すぐ現地に赴き、被災者を救出する活動を陣頭に立って指揮し、一人の犠牲者を出すことなく全員救出しました。そればかりか被災地の子どもや女性、高齢者たちを平壌に呼び寄せ、手厚く保護しています。その人たちを前にしておこなった8月15日の演説が非常に感動的です。

こんにち、このような指導者が世界にいるでしょうか。ここに金正恩総書記の活動がどのようなものであるかが現れています。

訪朝して日本の活動に活かしていきたい

つぎに静岡チュチェ思想研究会の鈴木敏和会長が挨拶しました。

鈴木会長は、来る10月にチュチェ思想研究会代表団の団長として訪朝することになったと述べ、今年4月につづいて訪朝が実現するようになった喜びを語り、定例研究会を前にして団員が集まったことを紹介しました。訪朝では、大きく前進する朝鮮の姿から学び、日本の活動に活かしていきたいと抱負を語りました。

自由なパレスチナのためにたたかいつづける

つぎに在日パレスチナ人で博士のタスニム・カコラさんが、「300日間の大虐殺」と題して特別報告をおこないました。

私たちは1年近くにわたって大虐殺を目にしています。イスラエルはガザの学校、病院、大学、宗教施設、避難所、テントなどを爆撃しています。

私は過去1年間に、死んだ子どもたち、瓦礫の下に埋もれた子どもたち、手足や頭のない赤ちゃんたち、子どもに食べさせるものがない母親、家族全員の死を目撃した母親などを見ました。それでも世界は何もしていません。米国をはじめ西側諸国はイスラエルに数十億ドルのお金と大量の武器を提供し続けています。

イスラエルは米国をヒズボラとイランにたいするより広範な戦争に引き込もうとしています。イスラエルは、ハマスの政治的リーダーをテヘランで暗殺しました。

カコラさんは報告を締めくくり、イスラエルの戦争犯罪を許せば第三次世界大戦が起こるかもしれない、しかし何が起こってもパレスチナ人は自由なパレスチナのためにたたかいつづけるだろうと述べました。

自力で社会主義建設を進める朝鮮は世界の模範

定例研究会では鎌倉孝夫・埼玉大学名誉教授が、「現代の革命思想について」と題してオンラインでつぎのように講演しました。

マルクスやレーニンによって社会主義制度は実現されましたが、ソ連でも中国でも社会主義を正しく発展させることはできませんでした。

マルクス主義を教条的にとらえるところから生産力が発展すれば人間の意識が変わると言って、工場や機械を大規模化する国もありました。資本主義を発展させれば、おのずと社会主義へ移行するかのように考えている人がいまだにいます。しかし歴史は発展した資本主義国から社会主義へ移行した国がないことを示しています。

チュチェ思想は社会歴史発展における思想意識の決定的役割を明らかにしています。

国内で自給自足体制を築き、自力更生で建設をおこなうことが現代の社会主義建設の模範的な方向になっています。

人間を中心とした思想をふまえた自立と連帯こそが世界の社会主義建設を進めていく決定的な基礎になると思います。自主と平和を発展、確立させる思想としてのチュチェ思想を一人ひとりのものにしていこうというのが今日の私の結論です。 

日朝友好は人と人との交流から

定例研究会ではつづいて福原裕二・島根県立大学教授が「朝鮮の現況と日朝関係」と題して講演しました。

福原教授は、島根県立大学の学生と朝鮮大学校の学生との交流を紹介し、日朝友好は人と人との交流から始まると述べました。また最近の朝鮮の状況について金正恩総書記が15年間で社会主義強国を建設する展望計画をうちだし、人民生活の向上のために積極的に活動しているとして、つぎのように述べました。

金正恩総書記の社会主義強国建設には、四つの指向性があります。

一つが、人民生活をいかに向上させていくのかという人民大衆第一主義です。二つが、わが国第一主義を確立していくことです。三つが国防力を強化して対米脅威を相対化していくことです。そして四つ目が金正恩総書記の革命思想にもとづく政治スタイルをすすめるということです。金正恩総書記の政治スタイルの特徴の一つは、先軍から先党へ、集団指導体制をとっていることです。

総書記はまた、核兵器に至るまで法律の整備をすすめています。情報公開においても即座に情報が公開され伝達されます。

とくに未来の世代のための国づくりに真剣に努力しています。

金正恩総書記の革命思想の内容と特徴

つぎに李泰一・朝鮮大学校教授が「金正恩総書記の革命思想の内容と特徴」と題して講演しました。

李泰一教授は、金正恩総書記の革命思想の特徴を整理して紹介しながら、遭遇する問題を果敢に解決し、人民に献身する活動についてつぎのように、力強く語りました。

金正恩総書記は朝鮮北部の水害地域を二度視察し、平壌に被災民たちを招致しました。被災民のテントの中まで入り、膝を交えて人々の生活を心配する、その言葉と活動に、金正恩総書記の革命思想があらわれています。

被災民によりそう姿勢には、人民大衆が何を求め、何に苦しんでいるのかを理解し、献身していくという感性があらわれています。

金正恩総書記は、人民は党と国家の基礎であり、柱であり、すべての活動の出発点であり、志向点であると述べています。

そして、今のように人民たちが災難を受けた時に、国家指導部がいなくてはならない場所は、まさに被害現場であり、復旧戦闘場であるというのです。

総書記の革命思想の特徴を理解するうえで、いくつかの理論的問題について整理する必要があります。

一つは、金正恩総書記が金正日愛国主義の内容として展開された人民観の問題です。人民にたいする愛と信頼にもとづく人民観を確立することは、人々の心のとびらをひらくべき思想活動家にとって死活の要求であるということです。

もう一つには、わが国家第一主義の内容は、思想領域での転換であるということです。共和国の公民一人ひとりが、自分がこの国をつくっていくというパッション(情熱)をもつことがわが国家第一主義であり、逆境やきびしい状況をプラスに転じることが総書記の革命思想の重要な特徴です。

参加者は金正恩総書記の為民献身の思想と活動について学び、大きな感銘を受けていました。

講演後、参加した各地の参加者のなかから感想と意見が述べられました。東京の水谷研次氏、アイヌ伝統工芸家の成田得平氏、高知チュチェ思想研究会会長の大峰勝氏、在日本朝鮮社会科学者協会会長の李英洙氏らが発言しました。

ロシア、朝鮮、日本の歌と踊りが披露される

講演後、会場を移し、懇親会がおこなわれました。

懇親会は、金日成金正日主義研究全国連絡会代表世話人の住谷圭造氏の乾杯の挨拶で始まりました。

懇親会では芸術公演がおこなわれ、最初にロシア民族舞踊を加藤イリーナさんが踊りました。

つづいて東京朝鮮歌舞団が朝鮮の歌と踊りを披露しました。

最後に日朝音楽芸術交流会副会長で歌手の遠山洋子さんが日本と朝鮮の歌をうたいました。

定例研究会はチュチェ思想を深く研究し、日本と世界の自主化を推し進めていくうえで大きな意義をもつものとなりました。