チュチェ思想に学び、朝鮮、ロシアと連帯するために
―チュチェ思想国際研究所定例研究会 東京で開催―

9月20日、東京においてチュチェ思想国際研究所主催の定例研究会が開かれ、チュチェ思想国際研究所事務局長の尾上健一氏をはじめとして北海道から沖縄に至る全国各地のチュチェ思想研究者と日朝友好人士、チュチェ思想国際研究所理事の韓東成氏をはじめとする在日朝鮮人、外国人労働者など各界各層の人士が参加しました。

はじめに在日本朝鮮人総聯合会副議長の徐忠彦氏が挨拶し、9月3日に北京で反ファシズム・抗日戦争勝利80周年記念国際行事が開催され、そこに朝中ロをはじめとする26か国の首脳が参加したことにみられるように、世界の自主化がこんにちの大きな流れになっており、その中心に中国やロシアとともに朝鮮があると述べました。

研究会では、埼玉大学名誉教授の鎌倉孝夫氏が、「現代帝国主義の特徴とチュチェ思想の意義」と題してオンラインで講演し、つぎのように述べました。

現代の金融資本の特徴は、株式による資金の集中、動員です。金融資本は過剰資金を活用するために他の資本を買収し、海外に資本輸出するようになります。現代の世界においては、この金融資本の市場合戦がおこなわれています。

米国の軍産複合体は、国家の資金を集中、動員し現代的な技術を駆使して兵器生産をおこなっています。ウクライナにたいして兵器援助をおこなうことによって米国の軍産複合体は莫大な利益をあげています。

帝国主義は戦争しなければこの矛盾を解決することができません。

一方、朝鮮においては国内需要を拡大し、自力更生して経済を発展させています。まさにチュチェ思想の現代的意義を再確認することができます。

マルクス主義を機械的に解釈して、資本主義経済を発展させてこそ社会主義への移行がなされるという論調が今でもあります。しかし、歴史はロシアや朝鮮、中国のように経済的に発展が遅れた国で自国人民の力を強めて社会主義が実現されてきたことを示しています。

チュチェ思想は人間中心の思想です。

チュチェ思想はまた、自主、創造、連帯の思想です。自分が責任をもって行動する、創造的に活動する、そして連帯することです。

チュチェ思想はまた、平和の思想です。朝鮮は徹底して軍事力を強化しています。しかし朝鮮の軍事力は、あくまでも帝国主義の侵略から自国を防衛するためのものであり、決して外国を侵略するためのものではありません。あくまでも平和を維持し、確立するためのであるということを明確にすることが大事だと思います。

ソ連軍は反ファッシズム闘争で歴史的に大きな役割を果たしてきた

つぎにロシア科学アカデミー東洋学研究所部長のアレクサンドル・ヴォロンツォフ氏が、「日本軍国主義の壊滅に及ぼしたソ連軍の役割と1945年8月の朝鮮解放」と題して講演し、つぎのように述べました。

1945年8月、ソ連軍が朝鮮の抗日武装勢力などと協力して朝鮮を解放したことは、朝鮮の歴史、そしてロシア・朝鮮の友好と協力の歴史における重要な輝かしい1頁です。今年8月、朝鮮ではこの運命的な出来事の80周年を記念する大規模な祝典が開催され、私も参加しました。

8月14日に平壌での慶祝大会で演説した金正恩総書記は、「われわれはまた、われわれの人民の解放のために血を流した赤軍の将兵たちの軍事的功績を敬虔に思い起こし、烈士たちの記憶に敬意を表する」と述べました。

朝鮮半島における赤軍と太平洋艦隊の戦闘活動は、日本軍国主義を打倒するためのソ連の大規模軍事作戦の不可欠な一部を成しています。

日本では米国によって原子爆弾を投下されたことによって日本が降伏したと考えられていますが、そうではありません。

当時、関東軍をはじめとして日本の陸上兵力は米英軍を数倍も上回っており、米国は日本を恐れ、ソ連の対日参戦を切望していました。

こうしたなかで8月8日、ソ連が日本に宣戦布告して関東軍を満州、朝鮮から追放することによって日本の敗戦が決定的になったのです。当時の日本の首相もソ連参戦によって戦争の継続が不可能になったと述べています。

朝鮮に進出したソ連軍は朝鮮東海(日本海)沿岸で日本軍と激しい戦闘を繰り広げ(戦闘は8月22日まで続いた)、多くの犠牲を払って朝鮮解放に寄与したことが記録されています。

チュチェ思想は自主の思想

つぎに朝鮮大学校の李泰一教授が「歴史的5.25書簡の基本思想について」と題して講演し、つぎのように述べました。

金正恩総書記は総聯に対してすでに3回書簡を送ってきており、総聯の活動に対して深い関心を払い、具体的に指導されています。同胞たちは金正恩総書記の深い愛を感じながら、その指導の下に活動をおし進めようとしています。

書簡で提示された重要思想は、総聯結成世代の愛国精神を受け継いでいくことです。

総聯結成世代は、主席の呼びかけに応え、小さな船で荒波を乗り越え祖国に渡りました。

書簡では、同胞第一主義で活動することが再確認されています。

同胞第一主義は人民大衆第一主義を在日朝鮮人運動に具体化したものであり、総聯運動の存在様式と活動方式を規定する根本理念です。

講演では、最近の朝鮮の動きと関連して、今年5月9日にロシアでおこなわれた戦勝記念行事、8月15日の朝鮮における戦勝80周年記念行事、そして9月3日に中国でおこなわれた戦勝記念行事、これらはつながっており、民衆がたたかうことによってファシズムを撃退し、正義を守ってきたことが分かると述べました。

また朝ロパートナーシップ条約の内容を紹介しながら、朝鮮の人たちは、クルスクの空と朝鮮の空はつながっているという気持ちでたたかっており、その意志が世界の人々にも大きな影響を与えていると述べました。

また講演では、人々が生活し歴史をきり拓いていくうえではさまざまな困難や課題があるが、それらを解決していくためには意志と能力が必要であり、とりわけ自主の思想が重要であると述べ、チュチェの原理と方法の必要性を強調しました。

教授の力強い講演は参加者を大きく鼓舞するものでした。

つぎに朝鮮新報社記者の李永徳氏がメキシコを訪問したことについて報告し、つぎのように述べました。

メキシコではオブラドール氏が大統領になって、大衆の利益を守り、産業の国有化をすすめる政策を打ち出して、米国に従属せず自主の道を進もうとする動きが強くなっています。

また今年5月にラテンアメリカ地域のチュチェ思想研究セミナーがメキシコで開催されるなど、チュチェ思想研究活動が盛んにおこなわれ、チュチェ思想を自国の政策に活かそうとする動きが強くなっていることを確認することができました。

最後にチュチェ思想国際研究所理事で朝鮮大学校学長の韓東成氏がまとめの挨拶をおこない、つぎのように述べました。

朝鮮とロシア、中国は反ファシズム闘争をともにたたかった国同士であり、血で結ばれた同志的関係があるということ、それがどのように築かれ、発展しているのかを本日の集まりは示しています。

10月10日には朝鮮労働党創建80周年を迎え、日本からもチュチェ思想国際研究所や金日成・金正日主義研究会の代表団が訪朝します。在日朝鮮人祝賀団とともに朝鮮大学校の教員も参加する予定です。

文化公演ではロシアと朝鮮の歌が披露される

講演後、文化公演がおこなわれました。

最初に、在日本朝鮮人総聯合会愛知県本部元委員長の金鎮度氏が音頭をとって乾杯がおこなわれました。

在日ロシア人のナタリア・ベレゾフスカヤ氏がロシア民謡を披露しました。

つぎに東京朝鮮歌舞団が朝鮮の歌と踊りを披露しました。

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今回の定例研究会は、チュチェ思想を深く学び、広範な人々に広めていくうえで大きな意義をもつものとなりました。

また、反帝自主のたたかいの先頭に立っている朝鮮やロシアと連帯していくうえでも大きな意義をもつものとなりました。