チュチェ思想に学び自主の社会をきずく
―チュチェ思想国際研究所定例研究会が開かれる―

12月27日、東京においてチュチェ思想国際研究所の定例研究会が開かれ、東京をはじめ福島、群馬、長野、静岡、大阪からもチュチェ思想研究者が参加しました。

開会挨拶をチュチェ思想国際研究所の尾上健一事務局長がおこない、本集会は2026年の活動を締めくくる集まりであること、新年には金正恩総書記の誕生を祝賀して沖縄で新春セミナーが予定されていることを紹介しました。

チュチェ思想にもとづき新しい国家間関係を確立する

定例研究会では、埼玉大学名誉教授の鎌倉孝夫氏が「現代帝国主義体制の危機と朝鮮が主導する新しい世界」と題してオンラインで講演し、つぎのように述べました。

米国のトランプ大統領の政策の基本にあるのはディール(取引)であり、儲けることです。トランプ大統領は、国家間関係も交換関係としてとらえ、体制の違いを問題にしません。

商品経済は対価があればよいのです。ところが現在、米国で輸出競争力をもつ産業や輸出品の多くは、日本や外国の企業が進出しておこなっているもので、米国が輸出できるものは農産物と軍需品しかありません。それで米国の軍需産業、軍産複合体が儲けるために、日本をはじめアジアの国々に軍隊を配備し、世界で戦争の危機を演出しているのです。

高市政権は、米国の兵器を大量に購入するために防衛費をGDP比2%以上に引き上げようとしており、その財政を保障するために増税がおこなわれようとしています。日本では労働者の生活がますます厳しい状況に置かれるようになっています。

こうしたなかで戦争経済の転換が求められています。

そのためには戦争させないための運動が不可欠です。

朝鮮、中国が侵略することはありません。朝鮮や中国の武力はあくまでも自衛のためのものです。わたしたちは、そのことを明確にしながら、戦争させない思想と運動を日本のなかで組織し展開していかなければならないと思います。

こんにちの世界において自主、平和を主導しているのが朝鮮であり、その基盤になっているのがチュチェ思想です。

マルクスは唯物史観からスタートし、資本論では資本の本質を明確にしています。しかし、労働者がどういう思想をもって、どういう現実をつくっていくかについては明確にしていません。

人間生活に必要不可欠な生活手段や生産手段を自主的に生産するということが人間生存発展の根拠です。人間がこれとどう関わっていくのかを明確な原理として確立したのがチュチェ思想だといえます。

チュチェ思想の原理は、あくまでも人間中心であり、自主性を尊重します。自主性と自由は違います。自由とは何をやってもいいということですが、そうではないのです。

人間対自然のなかで、自然をどう理解し、適応していくのか、自然法則にどう適応していくのか。その時に、必要不可欠な思想が人間中心のチュチェ思想です。

チュチェ思想は、人間中心の原理であり、人間には自主性、創造性、連帯性があることを明らかにしています。

私たち一人ひとりが自主性の確立にむけて日本で何ができるのか、何をしなければならないかということを正確にとらえながら毎日の生活を送っていく必要があるのではないかと思います。

人民とともに歩んだ朝鮮労働党の80年

つぎに朝鮮大学校教授の李泰一氏が、「朝鮮労働党80年の歩みと共和国の発展」と題して、朝鮮労働党80年の歩みの本質、訪朝中に開催されたチュチェ思想国際セミナーに参加し、朝鮮大学校の学生を引率した実体験から感じた朝鮮の現状について講演しました。

はじめに教授は、朝鮮労働党80年の歩みを1926~45年の開拓期、1945~74年の発展期、1974~2011年の継承期、2011年~現在までの新たな継承・発展期に分けて整理しました。

開拓期、朝鮮民族は国もなく日本帝国主義の支配下で抑圧されていましたが、自主的な精神を養い、新世代の共産主義者を育成して党創建のための組織思想的基礎を構築し、祖国解放を迎えました。

発展期の1945年、金日成主席は広範な人々を団結させて革命をおこなうために、抗日革命闘争を展開してきた核心部隊というよりもむしろ幅広い人々を網羅して党を創建しました。

その後、党内で事大主義が深刻な問題として提起されるようになり、金日成主席は「思想活動において教条主義と事大主義を一掃し、主体性を確立するために」という著作でも明らかにされているように、主体の確立を強調し、党活動を中心にして社会主義革命と建設をおし進めました。主体とは言うまでもなく朝鮮革命です。

継承期は、金正日総書記の時代であり、全社会のチュチェ思想化と社会主義強国の土台を構築した時期です。党の基礎築成が完成し、苦難の行軍を乗り越えたというのがこの時期の特徴です。

新たな継承・発展期は、金正恩総書記の時代であり、社会主義の全面発展期に当たります。

教授は、朝鮮労働党の80年を貫く理念は、以民為天、一心団結、自力更生であり、これは党第8回大会で党のスローガンとしても決定されたことであると述べました。

金正恩総書記は、党創建80周年祝賀行事の演説のなかでも党が歩んできた80年の道のりは、人民とともに歩んだ人民の歴史であり、人民の力に依拠してきたところにすべての勝利の秘訣があると述べました。

金正恩総書記の革命思想の本質は人民大衆第一主義です。人民大衆第一主義をおし進める主体は社会主義執権党と国家であり、社会主義執権党と国家が人民のために滅私奉仕する政治理念です。

最後に朝鮮大学校学長の韓東成氏が、挨拶し、つぎのように述べました。

今年は嬉しいことがいくつかありました。その一つは、1月2日、訪朝して正月の芸術公演をおこなった朝鮮学校の子どもたちが金正恩総書記の接見を受け、総書記の前で歌を披露したことです。その報道に接し、在日同胞はみな大きな感激と励ましを受けました。

5月25日には金正恩総書記から朝鮮総聯に書簡が送られました。

そのなかでは総書記が在日子弟の教育に大きな関心を払っていることが分かります。

朝鮮大学校の学生も今年は多く訪朝しました。学生にたいしては奨学金も送られています。

朝鮮大学校は来年創立70周年を迎えます。それに向けて多くの人々に影響力のある魅力ある大学に変革していこうとして取り組みを始めているところです。

定例研究会は新しい年に向け、チュチェ思想研究普及活動をいっそう積極的におし進めていく契機になりました。