ヨーロッパ・チュチェ思想研究学会書記長を迎えて
チュチェ思想に関する研究会
3月25日、那覇市においてヨーロッパ・チュチェ思想研究学会書記長のユハ・キエクシ氏を迎え、チュチェ思想に関する研究会が開かれ、沖縄の学者をはじめ、基地に反対し自主、自立を求めて運動する人々など各界人士が参加しました
研究会では最初に、沖縄大学名誉教授の平良研一氏から寄せられたつぎのような内容のメッセージが紹介されました
現在世界は混迷と戦争の危機のなかにあります。その原因はトランプ米大統領の狂気ともいえる帝国主義的世界戦略にあります
世界大戦にも結びつく危険な行為にたいする世界の良心の怒りは、米国民のなかからも高まっており、もはやそれをおしとどめることはできないと確信します
人類は長いさまざまな歴史的経験のなかで、平和的に生きる権利と主体的な意識性を獲得して生きており、その価値は今に生きる私たちの大きな遺産です
ユハ・キエクシ氏はフィンランドがEU加入後、経済的自立性を失い、政治的自主性も危機的な状況にあると指摘され、それを克服するには朝鮮の80年の経験に学び、社会主義の理念にもとづいてあくまでも人民大衆の福祉と平和に貢献する政治を実現することが大切だと指摘しています
80周年を迎えた朝鮮労働党の苦難の歴史がうんだチュチェ思想に学び、戦争のない世界の平和的存続のために貢献することを誓い、メッセージといたします
セミナーでは、ヨーロッパ・チュチェ思想研究学会書記長のユハ・キエクシ氏、沖縄大学名誉教授の仲村芳信氏、弁護士の髙良鉄美氏が講演し、その後質疑応答がおこなわれました。以下に、講演と質疑応答の主な内容について紹介します
ユハ・キエクシ氏は、ヨーロッパ諸国においてはソ連・東欧社会主義崩壊後、新自由主義経済が浸透し、人々が互いに競争することを強いられ、生活水準は悪化し、戦争が絶えないと指摘し、各国が自主を打ち立てることが切迫した課題になっていると指摘し、つぎのように述べました
フィンランドはロシアと国境を接しており、自由往来できた頃はフィンランド東部地域は、経済的にも利益を得ていましたが、国境が閉ざされた後は、一般市民同士の交流はできず、ロシア人の方々は親戚にも会いに行けなくなっています
政府もNATO加盟前は、自立した外交をしていましたが、今は米国の言うことを何でも聞いて反対しなくなりました
人権にたいする認識も変化し、NATOに反対する人は裏切り者扱いされるような状況になっています
こうした問題は結局、イデオロギー、思想の問題に帰結すると思います
チュチェ思想に学び琉球の未来を拓く
仲村芳信氏は、チュチェ思想に学んで琉球は独立すべきだと強調し、つぎのように述べました。わたしは、多くの琉球人たちが日本への復帰運動をおこなっていたときから独立運動をおこなっていました。
なぜなら、日本はわたしたち琉球人の祖国ではないからです。
1879年、明治政府は首里城を包囲し、尚泰王を拉致しました。その後、明治政府によって琉球人を日本人にかえるための同化政策が強力に進められました。
琉球が独立している間は、各国と友好的、平和的な関係を結び、戦争もありませんでした。しかし、明治になった途端、戦争にも駆り出され、多くの人が亡くなりました
チュチェ思想にもとづいて独立運動をおこなえば沖縄の未来は豊かで、平和で、明るい国になっていきます。
自主性、主体性、意識性、創造性を重視するチュチェ思想に学んで琉球は独立をとげていく、わたしはそういう確信をもっています。
独立するということは自己決定権をとりもどすということです。人間やそれぞれの国には自分の運命は自分で決めるという自己決定権があります
琉球が独立すると、自分たちの国の平和は自分たちで作るし、外国の軍隊もいなくなります
自主、自立の沖縄をきずく
弁護士の高良鉄美氏は、ウクライナ問題、スパイ防止法制定の動き、朝鮮学校無償化除外の問題を取り上げ、日本が戦争への危険な道を進んでいることに警鐘を鳴らし、自主、自立の沖縄をきずくことについて、つぎのように述べました。
わたしは2022年、ウクライナ問題でロシアに抗議する決議が参議院で採択されたとき、一人反対して議場から退出しました。その後、沖縄の先島にミサイルが配備されていきました。その後、安保三文書が出されました。これらは、みなつながっているのです
現在、日本政府は、国会でスパイ防止法を採択しようとしています
スパイ防止法は、国民が軍事機密を漏らしていないか、スパイ行為をおこなっていないかを監視するための法律です。
沖縄では軍事基地に反対する運動がおこなわれていますが、これもテロ行為やスパイ行為とみなされ、治安維持法の対象になるということがおこりえます。
かつての治安維持法は一人ひとりのもっている思想まで対象にしていました。沖縄の人々は軍事的なものと外交に関する問題がまじりあう地域で生活しています。軍事基地そのものが軍事機密の対象です。
スパイ防止法と基本的人権である自由の関係がとても重要です。スパイ防止法はプライバシーの問題も関係するし、表現の自由、言論、出版の自由などとも関係しています
重要なことは、基本的人権を行使することが刑罰の対象になるという構造そのものです。
朝鮮籍の在日朝鮮人は何も問題がなくてもスパイ防止法の対象になることを警戒しなくてはならない状態です。
最近、日本政府の在日外国人にたいする取扱い方も見方もたいへんきびしくなっています。在日外国人の強制送還が以前より簡単にできるようになっています。
独立するというと激しく対立して別れるというイメージがありますが、独立という概念には幅があり、世界にはさまざまなケースがあります。必ずしも独立というスローガンを掲げなくても自治権をもつことが大事だと思います
かつて沖縄の人々は、米軍の圧制や抑圧、事件や事故から逃れて日本の平和憲法のもとで暮らしたいがために本土復帰運動をおこないました。ところがいま、日本政府は日本国憲法を尊重する気がなく改悪しようとしています。日本国憲法が変えられたら沖縄は完全な軍事要塞になってしまいます。
沖縄では昔から、平和に生きていきたいという願いが、“イチャリバチョウデー”とか“ぬちどぅ宝”という言葉として表現されてきました。それは世界の人々と共有できる概念です
沖縄が独立すれば紛争がおきたときに、「ぬちどぅ宝」といって紛争解決の仲介をすることもできます。
地方自治や自主権の問題を考え、沖縄や日本がどのような進路を歩むべきか、みなさんとともに考えていきたいと思います
沖縄における研究会は、自主が日本と世界において切迫した要求になっていることを確認し、チュチェ思想研究普及活動をいっそう積極的におし進めていくうえで大きな意義をもつものとなりました