金日成主席誕生114周年を記念して
チュチェ思想研究セミナーが大阪で開催される

4月18日、大阪市において、金日成主席誕生114周年を記念して、チュチェ思想研究セミナーが開催されました。

金日成・金正日主義研究関西連絡会の主催で開かれたセミナーには、関西の学者や日朝友好人士、チュチェ思想国際研究所の尾上健一事務局長をはじめとして東京や静岡など各地のチュチェ思想研究者、そして在日朝鮮人が参加しました。

セミナーでは初めに在日本朝鮮人総聯合会大阪府本部副委員長の玄完植氏が来賓挨拶をおこない、つぎのように述べました。

朝鮮労働党第9回大会に在日朝鮮人祝賀団の一員として参加した同僚は、十数年ぶりに訪れた平壌はまったく違う都市に生まれ変わったようだったと感想を語っていました。自主、自立、自衛の原則を堅持し、自力更生で進むチュチェ的な立場が世界においてもすう勢になってきているのではないかと思います。

セミナーでは在日本朝鮮社会科学者協会の李英洙会長が「新しい視点からみる朝鮮労働党第9回大会と最高人民会議第15期第1回会議」と題して講演をおこないました。

李英洙会長は、最近、激動する世界という言葉をよく耳にするが、その本質を理解するためにはチュチェ思想に学ばなければならないと述べながら、2月に開催された朝鮮労働党第9回大会、3月に開催された朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議第15期第1回会議における金正恩総書記の報告内容について新しい視点をもって詳しく解説しました。

「15年構想」のもとに進む社会主義全面発展期のたたかい

朝鮮労働党第8回大会は「活動する大会、闘争する大会、前進する大会」と位置づけられていましたが、今回の第9回党大会は「より大きな成功を約束する大会」と位置づけられました。第8回党大会以降、5年を周期とする社会主義強国建設の「15年構想」のもとで、新しいたたかいがおこなわれていることをみなければなりません。

15年構想は、2036年までに社会主義の完全勝利を達成するための戦略的枠組みとしてあります。

第1段階の5年間の闘争の成果によって、その正当性が実証され、今後さらに成果を拡大できるという確信をもつようになりました。

政治、経済、文化、国防、外交だけでなく、人々の思想意識と技術文化、生活環境が同時に変化発展する新たな社会主義全面的建設に昇華されました。

今後の5年間の目標は、社会主義建設全般の質的発展と画期的な飛躍の軌道に乗せる新しい高調期に発展させることです。

第2段階の5年間の闘争も自国人民の主体的な力に依拠し、「以民為天」「一心団結」「自力更生」の三つの理念を変わることなく掲げていきます。

新たな5ゕ年計画期間は、飛躍的な発展、急速な変化、幅広い進歩を実現する期間として、社会主義全面的発展の開拓期から一大高調期へとつないでいこうとしています。

第9回党大会の基本思想、基本精神は、「不屈の開拓闘争によって勝ち取った偉大な勝利と栄光を新たな道程の連綿たる飛躍につなげていこう」です。

自力更生の勝利

党は革命と建設の参謀部、政治的指導機関であるのにたいして、国家は人民の自主的権利の代表者、創造的活動の組織者であり、人民の生活に責任をとる戸主、人民の保護者としての使命と機能をもっています。施政演説では、その四つの機能と関連して課題が整理されています。

今回の最高人民会議は、朝鮮式社会主義建設が新たな段階にはいった現実的要求に即して、国家の富強と人民の福祉増進をめざす綱領的課題と方途を提示した歴史的な会議でした。

施政演説は、自国人民を信じ、自分の闘争の伝統を生かして自力更生したことが正しかったと総括しています。

自力更生と核武力強化の戦略的路線をゆるぎなく堅持することによって、自主、自立、自衛の威力を新たな水準に引き上げ、社会主義制度の人民的性格をより強固にし、全社会的全人民的な政治的思想的統一を強化することができました。

信念は未来を見通し、その信念に支えられた偉業と国家はかならず成功するという真理をきざみました。

自主のたたかいはいっそう強まる

現在、米国の覇権政策と専横によって世界のいたるところで平和と安全が侵され国際情勢は混乱した方向へ走っています。

明白なことは、支配と従属に反対し、自主と平等、独自性を実現しようとする進歩的人類の志向は覇権勢力のあがきに正比例して一層強烈なものになるということです。これは阻むことのできない歴史の合法則的過程であり、必然です。今後も、自主勢力はひきつづき強まるであろうし、その進歩的な闘争によって公平かつ正義の多極世界の建設が一層促されるでしょう。

2026年は世界の自主化と朝鮮の社会主義建設にとって重要な節目であり、米国の覇権崩壊と世界の大変革の前夜と位置づけることができます。

世界情勢の複雑さと米国の無謀な行動に対し、わたしたちは自信と決意をもち、時代の先駆者として自主化の闘争を進めていくことが求められています。

講演に続き、参加者から発言がありました。

最初に、帝塚山学院大学の古田富建教授が発言し、米国中心の世界が崩壊に向かっているなかで、朝鮮を中心とした自主勢力が大きく前進しているという世界情勢にたいする見方は、日本のマスコミが普段報道している内容からは想像もつかないことだと述べました。

つづいて、日本平和学会会員の青地イザンベール真美氏が発言し、金正日総書記の「チュチェ思想について」を学ぶ機会を得て、革命において人間の意志が大きな要素になることを学んできたと述べました。そして、米国中心の世界秩序がおわり、それぞれの民族や国家が自主性をもって生きていける新しい時代が来るという意味で、チュチェ思想、自主への追求が世界にも希望をもたらしてくれるのではないかと思っている、2016年に朝鮮を訪ねたことがあるが、機会があれば、是非また訪朝したいと述べました。

人民のために国家が存在するという政治のあり方

また、関西大学の髙作正博教授が発言し、つぎのように述べました。

高市政権になって日本の対米従属の構造がより明確になりました。

日本と密接な関係がある国が武力攻撃を受け、日本に危機的状況をもたらす可能性が高いときに自衛隊を派遣するというのが存立危機事態の考え方です。

イランを攻撃するために自衛隊を派遣するというのはおかしいのです。在日米軍基地からの米軍の派遣も大きな問題です。

ベネズエラのマドゥロ大統領の拘束もおかしな話です。薬物取締に関する米国内法を執行するために他国に軍隊を派遣し、大統領夫妻を拘束、連行すること自体、国際法上容認できない武力行使になっています。

高市首相がトランプ大統領に接近していくのであれば、戦争はやめて秩序を回復しなさいと言わなくてはいけなかったと思います。

最近の憲法論は、国家の目的ややそれを達成するための手段、その歴史的意義といった大きな議論をしない傾向にあります。

朝鮮は、国家の目標から語り、国家論が大前提になった議論が発展していることを興味深く思いました。人民のために国家が存在するということが前面にうちだされています。

日本は国防費を上げながら、社会保障費を削減しており、国民にたいする保護機能を失いつつあります。朝鮮の現在の方向性は非常に参考になると思います。

つぎに日朝音楽芸術交流会会長の池辺幸惠氏が発言し、つぎのように述べました。

朝鮮のことを考えるにつけ、対照的に日本のことが恥ずかしくなります。

ホロコーストで600万人が亡くなったと言われますが、日本は第2次世界大戦において、天皇の名のもとにアジアの3000万人にも及ぶ人たちを殺りくしました。いま、そういうことを忘れて日本は米国に隷属して、アジアの国々を侵略しようとしています。

朝鮮にたいする悪宣伝の影響を少なからぬ人々が受けているなかで、正しい姿を伝えていかなくてはいけないと思っています。

自主を求める世界の人民がチュチェ思想を要求している

つぎに大阪経済法科大学元教授の金成秀氏が発言し、つぎのように述べました。

私はフランス語が専門で、世界に関心があって、ベネズエラやイラン、シリア、キューバなどいろいろな国に行って、その国の人民と交流をしてきたので、非常に悲しい気持ちでいっぱいです。

いま世界において社会主義と言われる国はいくつかありますが、共産主義を掲げる国は朝鮮しかありません。多くの国には目標がないのです。朝鮮の場合はこれまでの古いイメージの共産主義ではなく、人民的な新しい共産主義への道をさし示しています。

朝鮮をみるとき一番重要だと思うのは、思想第一主義で進んでいるということです。どう生きていくのかということをはっきりと提起できるのは朝鮮だけだといえます。

世界でも朝鮮やロシア、とりわけ、その指導者にたいする関心が高まっていることを知ることができます。

最後にチュチェ思想国際研究所事務局長の尾上健一氏が挨拶し、世界が大きく混乱しているなかにあって、チュチェ思想に関心を向け、チュチェ思想を学びたいという要求が高まっていることにふれ、次のように述べました。

3月には、ヨーロッパ・チュチェ思想研究学会の書記長一行がフィンランドから来日し、東京や沖縄で研究会に参加しました。

チュチェ思想に関心をもって研究し、実践していこうという各国の動きが活発になっていますので、ここに参加された先生方も発表する機会をもっていただけたらと思います。

セミナーは、チュチェ思想を研究普及し、日本と世界の自主化を促進するうえで大きな意義をもつものとなりました。