朝鮮人民軍創建76周年に際しておこなった祝賀演説

2024年2月8日
金正恩

栄えあるわが軍の創建節を盛大に迎えている共和国武力の最高指揮機関である国防省のメンバーとここに列席した士官・兵士諸君。

今この瞬間もわが祖国の国境戦線を守って献身している頼もしい第1、第2、第4、第5軍団の将兵諸君。

首都防衛の栄誉ある任務をりっぱに果たしている平壌防御軍団の将兵諸君。

祖国の東・西部地区の領土と領海をしっかりと守っているすべての軍団と機甲歩兵、戦車、装甲部隊の将兵諸君。

北部国境の第12軍団と国境警備隊の将兵諸君。

勇敢なわが軍種の将兵諸君。

人民軍将兵諸君。

わが国家、わが人民の誇り高い祝日である朝鮮人民軍創建76周年に際して、熱烈な祝賀と激励のあいさつを送ります。

意義深いこの席をかりて、チュチェの建軍史の開拓期と偉大な勝利の年代を不滅の功勲と奇跡で飾った革命烈士と人民軍烈士、そして尊敬する老兵たちに心からの敬意を表します。

あわせて、わが党の強軍建設偉業を絶対的に支持し従っている全国の人民と軍人家族に深い感謝のあいさつを送ります。

この席に立つと、日ごとにより大きな重荷を担い、人一倍苦労しているわが軍の将兵たちにどう感謝したらよいのか、その特出した功績をどう評価したらよいのかわからなくなります。

人民軍という名を呼んでみただけでも胸が熱くなり、その英雄的姿がありありとまぶたに浮かんできて感無量です。

実に数々の事柄が秘められ、試練も多くありましたが、勝利と偉勲によって栄光にみちた76星霜です。

創建当初から今日まで時代と歴史が与えた聖なる使命を忠実に担い、もっとも正義の思想と偉業を守りぬきながら人民の安寧と福利のために闘争してきた偉大なその功績について、その日々にたてた無数の偉勲について語ろうとすればきりがないでしょう。

わが軍の英雄的闘争史に輝く最大の功績は、主権死守という本来の使命にかぎりなく忠実で、帝国主義の軍事的威嚇・恐喝と戦争の危険から国と人民の自主権と尊厳をしっかり守り、平和と安定を保障したことです。

朝鮮革命において建国に先だって創軍の偉業が遂行される未曽有の歴史が生まれたのは、主権そのものが帝国主義圧制を粉砕できる革命的な暴力によってのみ、戦って必ず勝利してこそ、守られ、行使されるからでした。

わが人民軍は、奪われていた生存権と発展権、自由と権利をとりもどすためのわが人民の長期にわたる闘争の獲得物であり、二度と奪われたり、蹂躙されたりしてはならない主権をしっかりと守ることはわが軍のもっとも重大かつ聖なる使命でした。

決して容易には守り通すことのできない国権守護の歴史的重任を担ったわが人民軍は、誰が誰をというきびしい政治闘争、階級闘争の険しい道を76年の長きにわたって屈することなく歩んできました。

なんぴとも歩んだことのない前人未踏の道程で、わが軍の将兵が年代を継いで血と生命をもってつみあげた戦果と英雄的偉勲は枚挙にいとまがありません。

人民軍がわが国家の主権が行使される全地域で、敵対勢力のあらゆる挑戦と威嚇を断固制圧し、国の垣根を鉄壁のごとく守りぬいたがゆえに、祖国と人民の安寧と権益、党の思想と偉業が固守され、人民軍の貴い犠牲と英雄的な勝戦史とともに、わが人民は権力を手中におさめて政治と軍事、経済と文化、対外関係において自己の権利を力強く行使しながら富国強兵への偉大な転換をとげました。

今日、わが国家の獲得した絶対的な力と尊威は、わが軍の血と汗、犠牲によってもたらされた貴い武勲と勝利を土台にしています。

より強大な繁栄する国家建設を志向するわが党の目標は、われわれの自主的権利を完全にとりもどし、堂々と行使することであり、ここで第一の課題は国家の安全を永久に確保することです。

そのためには、相手が手出しできないような絶対的力をもち、敵を統制できる強い力を備えなければなりません。

先日、わが党と政府が、わが民族の分断史と対決史を総括し、韓国傀儡一味をわれわれの前途においてもっとも危険な第一の敵国、不変の主敵と規定し、有事の際、傀儡一味の領土を占領、平定することを国是として決定したのは、わが国家の永遠なる安全と将来の平和と安定のためのもっとも正当な措置です。

これで、われわれは同族という修辞学的表現にこだわってやむをえず、共和国政権の崩壊をたくらみ、吸収統一を夢見る韓国傀儡との形式上の対話や協力などに力を入れざるをえなかった非現実的な桎梏を主動的にとりのぞき、明々白々な敵国と規定したことにもとづいて、少しでも蠢動するならいつでも攻撃し、壊滅させうる合法性をもっていっそう強力な軍事力を備え、超強硬対応態勢を維持するとともに、自主的な独立国家、社会主義国家としての尊厳を守り、周辺環境をわれわれの国益に即してさらに強く統制できるようになりました。

このような政策転換と断固たる対敵立場は、主権守護の意志においても軍事・技術力においても万端の準備を整えたわが軍があったからこそ、くだすことのできた重大な決断でした。

帝国主義の覇権政策と悪逆無道な侵略策動によって主権と領土が無残に侵害され、流血の惨劇が日常茶飯事となっている今日の世界で、反帝対決戦の一歩一歩をなんぴとも否定できない明白な勝利に決定づけ、祖国と人民の尊厳を誇り高く守りぬく軍隊は、朝鮮労働党の指導をうけるわれわれの革命武力だけです。

不敗の強兵として成長し、わが国家の安全と主権をゆるぎなく守ってきた共和国武力の輝かしい沿革と、祖国と人民のための壮大な創造と建設のページは、ともに並んで書き綴られました。

わが祖国と人民が軍隊の苦労にたいしてつねにありがたく思い、建軍節を自分の祝日として意義深く迎えるのは、人民軍が国権守護だけでなく、社会主義建設と人民の福祉増進のための闘争においても、なんぴとも代えられない赫々たる功績をつみあげたからです。

自己の党と生死苦楽をともにし、党の命令と指示ならそれが軍事的任務であろうと、経済的課題であろうと直ちにうけいれ、つねに寸分のくるいもなくもっとも完璧に、もっとも徹底的に遂行する、忠実で信頼に足る隊伍がまさにわが人民軍です。

わが軍人にはいつも長く説明する必要がありませんでした。

いかなる解釈がなくても、党の苦心を肌で感じとり、自分が買って出るべき歴史の時刻が近づいてきたことを自覚し、さらなる苦労に耐えなければならない戦区へためらうことなく進出するのがわが軍です。

わが軍の軍旗にしるされた「祖国のかぎりない繁栄と人民の安寧のために」という文は長くはありませんが、その使命と任務は非常に重く、そこに刻まれたのは武勲だけではありません。

戦後の廃虚のうえに祖国建設の鍬入れをしたその日から今日にいたる長い道程において、社会主義建設は国権守護に劣らぬ人民軍の第一義的な革命課題であったし、それはきびしい情勢のもとでも片時も軽くなったり延ばされたりしたことがありませんでした。

人民経済の根幹をなす鉄鋼の生産拠点と炭鉱、鉱山、国の動脈である鉄道と道路、人民の生活に資する田野と灌漑水路、干拓地をはじめ、開発と創造の轟音が鳴り響く祖国のどこにもわが軍の足跡がしるされていないところはありません。

歴史とともに後世に末永く輝く時代精神とそれに支えられて建てられた記念碑も、すべて人民軍によって生み出されたものです。

わが将兵は、自分の生の貴重なものの全部、誇りと自負、栄誉と幸福を人民軍というその誇り高い名称にいささかも惜しみなくすべてささげました。

わが軍が革命的かつ強靭な気概と愛国的熱情をもってしるした真の美しい足跡によって祖国の姿はさまがわりし、人民の生活のよりどころがきずかれ、幸せの笑い声がみちあふれました。

昨年一年間だけでも、首都と検徳地区をはじめ全国各地で立体戦によって展開された住宅建設、灌漑建設、国境遮断物工事、穀物増産運動、災害復旧にいたるまで、各部門、各分野で突破口を開いた偉勲の先駆者はわが軍人でした。

昨年、われわれの将官、軍官と兵士、軍人家族は、自分の食糧をわけあって、年初から直面していた国の食糧難を解消することに率先して参加し、さらに前進的かつ攻勢的な行動で党から与えられた課題をくるいなく遂行しながら、伝説的な勲功と奇跡でおりなしてきた軍の発展史にももっとも栄えある一年を記録しました。

人民軍の特出した役割と貢献がなかったならば、昨年の誇り高い総括もなく、今日のように高揚し、確信にみちた全面的興隆の確固たる勝勢もありえなかったでしょう。

2023年は、思想的に精鋭化し最強の戦闘力をもつ軍集団の前衛的な役割に依拠してわが祖国と人民が獲得してきた長くて栄えある勝利の歴史の縮図であり、そのもっとも輝かしい1ページであるといえます。

今、わが軍は党の呼びかけに応じて地方工業を一新させる10年革命というかつてない神聖かつ壮大な闘争を開始し、国の津々浦々では新たな革命の高揚を呼びかける栄誉の軍旗が勢いよくはためいています。

人民軍勇士の赤い魂と無数の偉勲が刻まれているこれらの軍旗は、わが国旗のまぶしさと激しいなびきを増し、変革の未来像をわれわれの目の前にくりひろげています。

情勢が平穏で有利なときにも、国がきびしい試練に直面したときにも、いちばん信頼して革命の前衛を任せられる軍隊がいるのは、わが党にとってまたとない誇りであり、大きな力です。

祖国防衛と社会主義建設という両戦線で、いつ何時も気を緩めることなくありとあらゆる苦労をしながらも、労をねぎらう最高司令官の一言さえあればそれ以上望むことはなく、最高司令官と志をともにするという誇りのほかにより大きな幸福はないという革命観、人生観を身につけ、かわらない一念で奮闘する堅実な人民軍将兵の姿から、私はいつも大きな力と勇気をえています。

わが軍の英雄的な闘争史は、革命の前衛に軍隊をおしたてて前進する国家と人民であってこそ、いかなる挑戦や危機にあっても微動だにせず、たえまない発展と隆盛をなしとげることができるという真理を歴史のページにしるしました。

私はこの意義深い席をかりて、わが党中央委員会と共和国政府を代表して、また全国人民の心まであわせて、英雄的朝鮮人民軍のすべての将兵に改めて建軍節の祝賀と感謝のあいさつを送ります。

同志のみなさん。

諸事万端がこもっている偉勲と功績のうえに、生命を賭して守らなければならない国家の尊厳があり、どんな代価を払っても実現しなければならない人民の理想があります。

祖国と人民にたいして絶大の使命を担っている朝鮮労働党は、今後も、つねに革命武力の勇敢さと忠実さに依拠するでしょうし、みなさんとともに富強で洋々たる共和国の明日を早めるでしょう。

いかに情勢がきびしく、前途に試練がおりかさなっても、軍隊さえそばにいれば心が強くなり、いかなる力にあまる膨大な革命課題も軍隊がうけもつならば勝利が明るく見通されるというのがこの国の人民の心です。

その信頼にこたえなければならず、自分の血みどろの闘争によって、完璧な結実によって、党の政策はすなわち科学であり現実であるという人民の信念をしっかりと守らなければなりません。

同志のみなさん。

わが軍はいっそう強い力をもたなければならず、その不敗の力によって戦争を防ぎ、必ず平和を守らなければなりません。

平和は哀願や協商をもってとりかえてえるものではありません。

今われわれの国境線の向こうでは、戦争熱にうかされ狂気になっている突然変異した連中が政権を握り、銃口を向けてわが国家の安全を脅かしています。

戦争は事前に予告を出してひきおこすものではないということを今一度銘記しましょう。

つねに臨戦態勢を維持しなければなりません。

敵があえてわが国家にたいして武力を使用しようとするなら、歴史をかえる勇断をくだし、われわれの手中にあるすべての超強力を躊躇することなく動員して敵を掃滅するでしょう。

同志のみなさん。

つねに党の思想と偉業を先頭に立って支えてきたすべての人民軍将兵は、不屈の革命信念と透徹した愛国精神、無比の英雄主義と気概、献身的な服務によって、栄えあるわが祖国―朝鮮民主主義人民共和国の聖なる主権と朝鮮人民の名誉をしっかりと守らなければならず、興隆強国の全面的発展期を早める聖なるたたかいで、朝鮮人民軍の精神的特質と気概をあますところなく発揮すべきです。

不敗の隊伍、精鋭の革命強兵をもっているわが党と国家、わが人民はつねに勝利するでしょう。

こぞって、偉大な新しい勝利への確信と楽観を抱き、一心同体となって祖国のかぎりない繁栄と人民の安寧のために力強くたたかっていきましょう。

われわれの誇るべき革命的武力にとわの栄光あれ。

英雄的な朝鮮人民軍万歳。