水害復旧に関する党と政府の立場について
―平安北道の罹災民を慰労した演説―

2024年8月9日
金正恩

水害地域の住民のみなさん!

みなさん、お元気ですか。

突然の自然災害で家を離れ、疎開地域で不便が多く、ずいぶん苦労したことでしょう。

この先、水害現場でみなさんの状況を直接目撃し、党中央委員会や国家あげての非常対策を講じたものの、その間、罹災民のことで仕事に手がつきませんでした。

もちろん、すべての罹災民が多少なりとも落ち着いた生活をしているという報告を毎日、数回にわたってうけながらも、一瞬たりとも安心することができませんでした。

今回、再び現地でよりつぶさに状況を確かめ、復旧事業に関する一連の問題を手配しなおし、みなさんに役にたつ国家的な重要な追加の措置を講じる目的でこうやってきました。

予想外の大災難に見舞われたみなさんが不便な臨時施設で不正常な生活をおくってからかなりの日がたちましたが、どうしても助けたい思いばかりで、大きく援助できなくて申し訳ない気持ちを禁じることができませんでした。

誠心誠意をつくしてみなさんを助けようと全国がふるいたちましたが、ただちには家を失い、湿気のある仮設テントや生活条件の不備な公共の場でみなさんがなめている苦労を全部なくすことができないのが残念で、焦燥感をどうすることもできません。

ところが、みなさんがお元気で、このように不便を顔に出さない姿を見ると、心が軽くなり、ほんとうに大きな力を得ました。

わが党と政府がみなさんに力と活力を与えなければならないのに、かえってわれわれが大きな力を得ています。

みなさんは常にわが党と政府を信じ頼っていますが、きびしい災難の時期にもこのように絶対的に、無条件に信頼してくれるのを、わたしは実にありがたく、誇らしげに思っています。

あわせて、わが党にしたがってゆるぎなく一生純潔な忠誠と信義をつくしているりっぱな人民のために、さらに何をどうすべきかをいっそう神聖に自覚するようになります。

この席で先に述べたいのは、わが党中央委員会と共和国政府は災難に見舞われたみなさんといつも苦楽をともにするであろうということです。

人民は党と国家の基礎であり、柱であり、すべての活動の出発点であり、志向点です。

困難なときであるほど人民により近よって苦楽をともにするのは、わが党本来の存在方式であり、活動方式です。

今のように人民が災難に見舞われたときに、わが国家指導部がたつべき位置は、まさに被害現場であり、復旧戦闘場です。

みなさんに今一度深い慰労の念を表しながら、この機会を借りて、罹災民の生活保障と被害復旧のためのわが党と政府の可及的な措置について要約して述べたいと思います。

今、党と国家のすべての活動は、ここの被害復旧戦闘に総集中しています。

ここだけではなく、慈江道と両江道の鴨緑江流域でも被害をうけました。

党と政府は、被害復旧事業を短期間に最高のレベルで完了するために、国家的に重要な建設事業まで一部調整し、膨大な人的・物的力量を被害復旧に投入することにしました。

今日、われわれにとって罹災民の生活を安定させ、再び水害をこうむらないように永久の安全対策を講じるより重大で緊急なことはありません。

罹災民の生活をすみやかに完全に正常化するとともに、災害の痕跡をなくすための効果的な対策の先決として、被害状況にたいする全般的かつ具体的な調査活動がおこなわれており、復旧計画を科学的にたてるための活動が当該部門で力強く推進されています。

この平安北道の被害復旧現地だけにも、人民軍軍人と青年たちをはじめとする13万余人の強力な建設陣が展開されています。

国家的に中央被害復旧対策委員会が組織され、各道に被害復旧現地司令部が設置されて活動を開始し、復旧用の物資輸送はすでに非常システムに移行しています。

このような剛勇の意志と電撃的な作戦、手抜かりのない実践によって、みなさんの懐かしい島村と国の西北部地域を、以前の面影を見いだせないように変革させようというのがわれわれの目標です。

同志のみなさん!

全国が力を総集中して被害復旧にとりくんでいますが、もともと被害の規模が大きいため、罹災民の住宅新築工事と補修工事が完了して生活が安定されるには、少なくとも2~3ゕ月はかかるでしょう。

その間、党と政府がいちばん重視すべき問題は、罹災民の生活に可能なかぎり深い関心をはらって面倒をみることです。

最近、わたしはこの問題について、毎日、関連機関の指導的幹部たちと対策を協議しています。

党の声を適時に聞くことができるように整然とした新聞・出版物普及システムもたて、各家庭と公共の場にテレビも設置し、食生活により深い関心をはらうべきです。

水害地域という環境のもとで最大の難問となっているのは、子どもや生徒の生活と教育の問題です。

今、わが政府内の経験や水準の低い一部の幹部は、復旧ばかりを云々しながら生徒と子どもたちの勉強、保育・教育などについてはまったく関心をはらっていません。

水害復旧が完了するまで子どもたちがテントや同居の生活をすれば、たいへん不便でしょうし、特に彼らの教育に少なからぬ影響を及ぼすようになるというのは自明の理です。

また、医療保障対策をとってみても、薬品の供給にとどまり、具体的で実質的な医療サービスの提供を予見していません。

これに関連して、昨日も党中央委員会当該部署との協議会でわたしが批判を与えました。

それで、被害復旧期間に平安北道と慈江道、両江道の罹災民家族の子どもや生徒をみな平壌に連れていき、国家が全面的に負担して、安全で便利な環境で保育と教育をうけもって提供する非常システムを稼働させようとしています。

子どもや生徒にたいする保育と教育問題は、どんなことがあっても絶対に譲歩することのできない第一の国事です。そのため、国家が災害復旧期間にこの活動を全面的にうけもつというのです。

これとともに、高齢者や病弱者、戦傷栄誉軍人や幼児の母親にも、水害地域に新しい住宅が建てられる前まで、平壌で国家的な保護恩恵を提供しようとしています。

初歩的な集計によると、罹災民家族のうち学齢前の子どもは2198名、生徒は4384名、高齢者は4524名、病弱者と戦傷栄誉軍人は265名、幼児の母親は4096名だそうです。

そうなると、平壌に連れていこうとする罹災民は、合計1万5400余人もあるということです。

このような国家的非常援助を提供するために、党中央委員会が直接指揮グループを展開し、平壌市の4・25旅館と閲兵訓練基地で水害地域の人民のためのサービスを提供しようとしています。

子どもや生徒のための臨時学習の場を設け、平壌市内の小学校、中学校、学齢前教育機関の教員、教養員を含む臨時機動教育隊を編成して、夏休みが終わり次第子どもや生徒に中断することなく教育を与えるようにするでしょう。

また、食糧と副食物、生活用品と医薬品を十分に供給し、平壌市内の重要サービス単位と病院で準備されたメンバーによる機動奉仕隊と機動医務隊を組織して、国家的な特別保養措置に応じた罹災民の生活条件の保障に万全を期するようにするでしょう。

まれに、一部の母親のなかに、幼い子を数ゕ月間も離すことをためらう方もいるでしょうし、また、あれこれの条件で地元を離れるのが困難な方もいるだろうと思います。

もちろん、個人的な事情もありうるから、本人の意向と決心に任せようと思います。

しかし、きびしいところで苦労の多い水害地域の人民に何か一つでも助けになり、不便を少しでも軽減しようとして手配したことですから、何の心配もなくすっかり安心して任せてもいいだろうと思います。

国家的な活動として最重視しているだけに、党と政府では全面的に責任をもって、平壌に行く罹災民の健康と生活を実の親、実の子のように最大の真心をこめて見守るでしょうし、みんなの顔と心に一点のかげりもささないように格別な関心をはらい、誠心誠意をつくすでしょう。

現在、被害復旧現場の立ち退き世帯の家産をひきあげるとしても、まともな保管場所がないのも問題です。

罹災民たちは顔には出さないが、おそらく大いに苦心しているでしょう。

それで、新しい住宅を建設する間、立ち退き世帯の便利をはかって、家財を安全に保管できる場所も提供しなければなりません。

こうすれば、平壌に行って保護恩恵をうけるようになる世帯にもよいでしょう。

同志のみなさん

われわれは、今回の災害復旧が単にわれわれ自身だけの活動でない深刻な対敵闘争であることを、今一度銘記する必要があります。

今敵は、われわれが被害をうけた機会を悪用して、わが国家のイメージに泥を塗ろうとする愚かな企図をつづけています。

各級党組織と勤労者団体組織、各教育網と住民たちは、このような事実を通じて、われわれと国境を接しているくずのような韓国連中にたいする正しい認識をもつのが重要です。

現在、水害地域の住民のためにわが党と政府が講じているすべての社会主義的恩恵と措置、そして全社会的に発揮されている共産主義的美風について、くずのような韓国メディアは、そのすべてが何かの内部結束のためのねらいだの、見せつけ式だのと中傷し、また、被災地域の失踪者は1000人を越えるだの、救助中数台のヘリコプターが墜落した事実が情報当局によって捕捉されただのという捏造資料をひきつづきでっちあげて、わが政権と制度のイメージを傷つけようと狂奔しています。

ひいては、水害地域で人命被害が発生しているにもかかわらず、先月の27日、平壌で戦勝節行事をおこなったというこじつけの虚説まで流しています。

おそらく、自分たちの社会でおこった各種の事故にたいして政府の対応が遅いという言葉が出回り、そのような現象が日常茶飯事である国であるから、一度われわれをこきおろす詭弁をつくって自分たちの国民をだまし、世論を騒がせてみようという魂胆のようです。

わたしは、みなさんを救出した飛行部隊を訪れた席で、救助状況の全過程と救助中に一機のヘリコプターが不時着陸した事実や、そんななかでも人命被害がなかったことをありがたく思うと明らかにしたことがあります。

敵は、自分たちのメディアが捏造報道をしたことにたいしてわたしが直接反応したのは、それだけ人命被害が大きかったことと、それをうやむやにしようとした意図からだとまで言いふらしています。

このように無事であるみなさんをなんとしても失踪者、死亡者にしようとする目的はどこにあるでしょうか。それは明白なことです。

それは、わが国家にたいする謀略宣伝であり、重大な挑発であり、みなさんにたいする冒涜です。

わたしが汚いくずのような国のメディアの報道にたいしてこのように話すのは、それなりに理由と必要があるからです。

別途に教育資料をつくる必要がありましょうか。このような生々しい事実自体が、敵はどれほど汚い連中なのか、わが国家のイメージをくもらせるためにどれほど遠い旧時代的な方式で捏造や政治的謀略宣伝に執着しているのか、その底意は何だろうか、敵をなぜ敵だとし、なぜくず者だというか、ということについてはっきりと認識させるよい事実的資料であり、教育素材であるからです。

世界のどの国も、このような途方もない捏造をでっちあげて言いふらすのをこととするメディアをもっていません。

はっきり認識すべきことは、敵はまさにこのようなものだということです。

このような現実的な事実資料をもって国家的に対敵認識を正しくもたせ、対敵感情を正しくうえつけなければなりません。

敵は変わらないものです。

敵がどんな敵であるのかを直接わかるこのような機会を、対敵観を正しく確立する機会にしなければなりません。

今日この席には、義州郡の幹部とともに平安北道の党及び政権機関の指導的幹部も参加しています。

この機会を借りて、災害地域の罹災民の生活安定と被害復旧と関連した地方党組織と政権機関の任務について言及しようと思います。

罹災民の生活を最大限すみやかに安定させるうえで、主人たちがその役割をまともに果たさなければなりません。

みなさんも目撃したことですが、平安北道と慈江道をはじめとする各地域で少なからぬ罹災民がこの猛暑とむし暑さに家を失い、野宿しています。

もちろん、これまでわれわれは、いくら多くの住宅が壊れても人民に無条件住宅を建ててやり、今、被災地域の罹災民はわが党を信じて楽観にみちて生活しています。

だからといって、地方党組織と政権機関は人々が貴重なすみかを失ってテント生活をしている事実を絶対に軽く考えてはなりません。

罹災民の生活で必須の食糧と副食物、燃料をきらさず定期的に供給し、生活必需品の保障対策を強く講じなければなりません。

各道・市・郡の備蓄物資をもって必要な食糧と物資を責任をもって保障し、国家的に保障される救済物資を迅速に供給して、罹災民の生活をはからなければなりません。

罹災民にたいする保障では、寝具類から各種の衛生用品とはさみ、針糸などの細部的な生活必需品にいたるまで見落とすものがないようにすべきです。

生活用水の保障に深い関心をはらわなければなりません。

水の問題は人々の生活でもっとも基礎的かつ初歩的な問題であり、特に浸水被害による汚染で水源の制限をうける災害地域で生活用水の保障はより緊迫に提起されます。

当該地域の党組織と政権機関は臨時観念を一掃し、罹災民の生活するところまで生活用水を十分に保障するための対策をきちんとたてなければなりません。

被災地域でもっとも脆弱な部門は保健医療及び防疫部門です。

疎開された住民が利用する浴場、トイレ、ゴミ捨て場、排水管を、住民数を考慮に入れて衛生性が保障されるようにきちんと設置し、手際よく管理して、伝染病の発生源を除去しなければなりません。

地域内の医療陣を総動員して罹災民の健康を責任をもって見守り、高麗薬をはじめとする医薬品を最大限に提供し、防疫活動を強力に展開しなければなりません。

被災地域の生産及び生活秩序を正常水準に回復するための復旧活動を強く展開すべきです。

被害をうけた住宅、公共建築にたいする安全性検査を正確にし、それにもとづいて復旧活動を迅速に展開しなければなりません。

浸水した建物に構造的な変化はないのか、地盤の状態は安全なのかなどを具体的に確認し、建物の倒壊による二次被害が発生しないようにすべきです。

新しく建設する建物と補修する建物を正しく選定し、復旧の順序と計画を科学的にたて、住宅の建設と補修を優先させて罹災民をすみやかに入居させることが重要です。

これとともに、学校と幼稚園、病院、工場、企業をはじめ被害をうけた公共建築と産業施設の復旧も力強くおし進めて、地域の正常な社会経済生活を一日も早く還元しなければなりません。

被災地域の自然地理状態と護岸実態を全般的に、具体的に検討したうえで、堤防の設計と工事を科学的におし進め、特に堤防設計で最大水位時の状況を正確に予測して、必要な箇所には水防壁施設も設置しなければなりません。

今の状態では、鴨緑江に放流される水の量が増えるにつれて、一方的に水害をこうむるしかない境遇にありますが、このような恒常的な脆弱性をこの機会に決定的に解消することによって、鴨緑江下流地域の義州郡と新義州市で水害危険性の根源を完全に除去しなければなりません。

被災地域の道路と鉄道、通信と電力網をはじめとする重要インフラを早急に復旧しなければなりません。

被害復旧に動員される人員と機材、物資を適時に建設現地に投入するためにも、住民の自由な経済生活を保障するためにも、交通条件の保障が急を要するため、復旧に動員された人民軍部隊と協同して道路と鉄道から開通しなければなりません。

通信と電力網を回復するための活動に力を入れて、住民生活と被害復旧に切実な通信と電力需要を最大限すみやかに保障しなければなりません。

農業部門の被害をいやすための活動を責任をもっておこなわなければなりません。

今回、各地域の少なからぬ耕地が冠水しましたが、放棄したり気を緩めたりせず、さらに奮発して被害の拡大をくいとめるための強力な対策を講じなければなりません。

大部分の耕地冠水が主たる被害となったことから教訓をくみとり、ダムと堤防、水路で弱点をさがしだして早急に補修、補強するための対策を徹底的に講じ、冠水田畑の農作物の生育状態を改善するための科学技術的対策を強く講じなければなりません。

排水・揚水場の実態を具体的に確かめ、耕地を大水の被害から確実に保護できるように能力を倍に高め、その正常なフル稼働を科学技術的に徹底的に保証しなければなりません。

農場の初級活動家と農場員に信念を抱かせ、彼らを奮起させる政治活動に重点をおき、農作物の被害復旧にたいする指導を実質的に責任をもっておこなわなければなりません。

埋没、流失された耕地を復旧する活動も強くおし進めなければなりません。

同志のみなさん!

今、われわれの前には、膨大な被害復旧に劣らない、それよりさらに慎重で、切実な災害防止という重大な任務が提起されています。

最近、世界的に災害性気象による被害の規模は毎年増大しており、わが国にも大水と台風の影響をうけない絶対安全の地域、不可侵の地域は実際のところ存在しません。

にもかかわらず、地域的特性を云々し、気象観測記録などをめくりながら災害防止活動をおろそかにするのは、人民の生命安全をもって博打を打つような危険きわまりない、許すことのできないふるまいです。

地方の党組織と政権機関は、災害性異常気象による被害の再発防止に死活をかけ、自覚・奮発してこれ以上災難が生じないようにすべきです。

さしあたって、迅速かつ整然とした天気予報通報システムをたて、それにしたがって地域内のすべての部門、すべての単位が災害性異常気象に徹底的に対処する規律と秩序、体系を確立して、予定される豪雨と台風による被害が絶対に生じないようにすべきです。

今回の水害は、各部門と地域間に連係と協力を強めるのが災害防止においてきわめて重要な問題であることをうきぼりにしました。

危機発生のとき、地域間の連係を緊密にしながら災害危険要素を適時に通報し、能動的に調整・管理し、特に豪雨と大水が予定されるときには、発電所と貯水池のダムを管理するすべての単位が中央の統一的な水管理システムに無条件服従するようにすべきです。

国家的な水管理システムを新たに確立し、当該専門機関を設置して地域別に飲料水の保障から大水対応、日照り対応、災害対応にいたるまで多様な分野にわたって統合的な水管理政策を実施し、操縦・実行するための水統合管理システムを確立するのが重要です。

今回の大水事態の教訓は、ダム管理機関の役割を強め、統合制御の実現と科学化を推進することが切実な課題として提起されるということを実証しました。

ところが、現存の災害防止機関は統計を出すことで自己の活動にかえる有名無実の機関にすぎません。

これは、幹部たちの無責任な活動態度の端的な側面であり、現存の硬直した思考方式と形式主義的な活動方法を終始踏襲したのでは、国に災害防止機関が十、百、千あってもまったく役にたちません。

雨季に大水注意警報期間を定め、部門別、地域別に設置された水管理単位を一律に統合・操縦・管理し、大水対応システムを稼働させる問題を研究しなければなりません。

これとともに、大水統合予報システムもより科学的に確立すべきです。

以前から強調されたことですが、建設において最悪の条件を考慮しない警戒心のない観点は必ず恐ろしい禍をまねくようになります。

いったん、新しい住宅を建てるからには二度と被害をうけないように、自然地理的に安全性が徹底的に保障されたところ、または災害防止対策を完全無欠に講じたことにもとづいて50年、100年はびくともしない丈夫な住宅を打ち建てるべきです。

そのためには、安全性評価を主要指標にして敷地から正しく定め、住民の便宜と要求が十分にみたされるように配置と形成案をよく作成し、世帯当たりの建設資材の所要量をさらに補強し、建設者の責任感をより高めて建物の堅固性を確実に保障しなければなりません。

住宅建設において速度と質の保障も重要ですが、わが人民の高まった文化水準に即して近代性をいかすことも重要です。

住宅を近代的美感にあいながらも地域別、村別にそれぞれ固有の特色がいかされるように非反復的で多様に、独特に設計し、建設しなければなりません。

特に強調したいのは、正確な計算もなしに安易な方法で従来の建物を取りはらい、その位置に適当に建てるようなことがあっては絶対にならないということです。

危機対応に関して、住民に日常的な教育を与えることも重要です。

住民の危機対応意識を高める活動を着実におこない、災難のとき、住民を疎開させるための安全な場所と行動指針を具体的に研究・確定して作成し、さまざまな非常状況のもとで利用する必須救助手段を備蓄するための活動を力強くおし進めなければなりません。

すべての地域で自然災害防止能力を全般的に点検、調査し、脆弱な点をさがしだして適時的な対策を講じ、豪雨と大水、台風と津波による極端な状況まで予見して危険箇所をさがしだして未然に除去・予防する事業と治山治水事業を着実におこなうべきです。

同志のみなさん!

人民の痛みをいやし、より大きな福祉を与え、地方を変革させる道程の大きな歩みとなる被害復旧の膨大な事業は、現地の党及び政権機関の幹部に特別に高い要求性を提起しています。

すべての幹部が真心をつくして被災地域の人民を誠心誠意助け、苦楽をともにする気風を発揮しなければなりません。

人民にたいする尊敬と献身的な奉仕は、幹部本来の義務であり、人民が困っているときには自分の本道により忠実でなければなりません。

特に党活動家、すべての幹部が大衆のなかに深く入って大衆とのきずなを強め、その過程で大衆と一心同体となって彼らを復旧闘争へふるいたたせなければなりません。

終わりに、被害地域の人民にたいする支援活動において偏向があらわれないようにすることについて強調したいと思います。

今、党中央委員会と内閣、省・中央機関はいうまでもなく、全国のすべての地域で罹災民にたいする支援活動をおこなっています。

支援活動はあくまでも自発性の原則でおこなうべきであって、絶対に組織化したり、むやみにおしつけたりしてはいけません。

以前、水害をはじめ自然災害が発生すれば、機関、企業と勤労者団体組織で品目と数量まで指定して支援物資を徴収する現象、幹部が功名心から出発して主観的に支援活動を組織し、物資を集めて支援する現象があらわれました。

わが人民が、被害地域の住民を援助することを当然の道義とみなして何の苦情も言わないからとして、彼らに負担をかけてまで支援活動をおこなうようにしてはなりません。

そのような支援活動はしないほうがましです。

全社会的に被災地域の人民にたいする支援活動を、あくまでも本人の意思にしたがって自発性の原則にもとづいておこなうよう掌握と指導を強化して、この活動が名実ともに苦痛と悲しみをわかちあい、たがいに助けあい、導きあうわれわれの社会の大風貌が真実に発現される過程になるようにすべきです。

これとともに、支援金と物資を統一的に掌握・登録し、配分や供給を公正に合理的におこなって、罹災民の生活の安定と災害復旧に効果的に使われるようにし、顔立てや流用、着服など否定的現象があらわれないようにきびしい統制を伴わせるべきです。

今、多くの国や国際機関が、わが国に人道支援を提供する意向を表明しています。

それに謝意を表します。

しかし、われわれが国家活動のすべての領域と工程において第一としているのは、人民にたいするかたい信頼と徹底的な自力に依拠して問題を処理する方式です。

今回の被害復旧で党中央と政府が依拠しているのは、一にも、二にも、十にも、わが人民の愛国的熱意と勇気、わが国家の潜在力です。

われわれはいつもと同様、自力にたいする確信を何よりも大事にし、人民の力と知恵をひきだしてすべての問題を解決していくでしょうし、今後もひきつづきこのように、わが国家の力を不断に増大・強化しながら自分の力と努力をもって自分の前途をきりひらいていくでしょう。

被害復旧に国家的な総力が集中され、計画した事業が共和国政府の統一的かつ強力な指揮のもとで円滑に推進されている以上、基本的に、この原則に一貫するでしょう。

同志のみなさん!

全国家的な集中力と全人民的な動員力、これでわれわれは災害復旧事業で確固たる勝勢をかためました。

愛するわが人民とわれわれの未来のために、われわれが自ら決定し担った時代的課題、歴史的課題を必ず完遂するために、党と政府はいかなる挑戦をも進んでたちむかい、必ず忠実な奉仕とりっぱな結果をもって人民の信頼に報いるでしょう。

人民のために忠実に奉仕します。

いつもみなさんとともにいます。

義州郡と新義州市の住民のみなさん!

慈江道と両江道の被災地域の住民のみなさん!

不便な点や困ったことがあれば、忌憚なくいつでも当該の党組織を通じて提起してください。

よりりっぱに改善されたよりどころで、新しい生活を開花させるその日を必ずお待ちしてください。

そしてなにとぞご健康を祈ります。

ともに力をあわせて、今日の危機をのりこえましょう。

偉大なわが人民万歳!