全党に革命的党風を確立しよう
-朝鮮労働党中央委員会組織指導部の責任幹部会議でおこなった演説-

1988年1月10日 金正日

党風を確立することは、党組織がいささかもおろそかにすることなく、つねに深い関心を払うべき重 要な活動です。

わたしはきょうみなさんに、革命的党風の確立で提起される諸問題について述べようと思います。

労働者階級の党は、その性格と使命に即して党を建設し活動を展開する過程で固有の党風をもつよう になります。

一般に党風といえば、党を建設し革命と建設を指導する歴史的過程で形成され強化される党の気風を 意味します。

党は思想と理念の共通性にもとづき、領袖を中心に組織的、思想的に強固に結合した人民大衆の中核 部隊であり、社会的・政治的生命体の中枢をなし、領袖の思想と指導を実現するために活動をくりひろ げます。

党が党員大衆の結集した政治的組織体として領袖の思想と指導を実現するためには、党をなすすべて の党員が領袖を中心に組織的、思想的に団結し、一つの規律と秩序にしたがって行動しなければなりま せん。党員が領袖を中心に組織的、思想的に団結し、一つの規律と秩序にしたがって行動するためには、 正しい党組織観念をもって党生活に誠実に参加しなければなりません。党員は党生活を通じて領袖から 授かった永生の社会的・政治的生命を輝かし、党生活の過程で領袖の思想と指導にしたがう気風、党組 織を尊重し、党規約上の規範を自覚的に守る気風、革命的かつ戦闘的に生活する気風といった党生活気 風が発現されます。

党が領袖の思想と指導を実現する政治的武器、革命の参謀部としての使命と役割を果たすには、党隊 伍を組織的、思想的にうちかため、その戦闘的機能を高め、人民大衆を自己のまわりに結束して革命闘 争と建設事業に奮い立たせなければなりません。党を強化し、人民大衆を奮起させて領袖の革命偉業を 実現する過程で、党の路線と政策を擁護し実行する気風、自力更生、刻苦奮闘の気風、人民大衆に依拠 してすべての問題を解決する気風といった党活動気風が発現されます。

党の組織・思想生活の過程で発現される党生活気風、党活動の過程で発現される党活動気風、これが ほかならぬ党風なのです。党風は一言でいって、党生活気風、党活動気風です。

党風の性格と特徴は、それがよりどころとする思想・理論によって規定されます。わが党の党風は、 チュチェ思想の原理、とくに革命の主体にかんする原理に根ざしています。革命の主体にかんするチュ チェ思想の原理は、領袖、党、大衆が組織的、思想的に結束して一つの社会的・政治的生命体をなし、 この生命体の活動を統一的に組織し指導する中心が領袖であり、大衆を領袖と結びつける中枢の役割を 果たすのが党であることを解明しています。革命の主体にかんする原理から、党風の確立において革命 的領袖観、組織観、大衆観を正しくうち立てる要求が提起されます。社会的・政治的生命体においては 領袖、党、大衆が渾然一体となっているため、領袖観、組織観、大衆観も不可分の関係にあります。こ こで中核となるのは領袖観です。領袖への忠実性は、党への忠実性、人民への忠実性の最高表現です。

わが党の党風は、領袖への忠実性を第一の生命とし、領袖、党、人民のためにすべてをつくしてたたか う党生活気風、党活動気風です。まさにここに、わが党の党風がチュチェの革命的党風となる根拠があ ります。

党風は短時日でなく、党が創立され強化される全過程を通じて形成され強固になり発展します。わが 党の党風は、金日成同志がわが党の歴史的根元を築いたときからチュチェの革命的党を建設する 歴史的過程を通じて形成され強固になり発展した、伝統的かつ革命的な党風です。そのため、わが党の 党風は永遠なる生命力をもってチュチェ革命偉業の完成を確固と保障しています。

党風の確立は、わが党を強化し、革命と建設にたいする党の指導を実現するうえで非常に重要な問題 となります。

党風の確立は、わが党を永遠にチュチェ型の革命的党に発展させる確固たる保障です。わが党をチュ チェ型の革命的党に発展させるには、すべての党員を領袖に限りなく忠実なチュチェ型の共産主義的革 命家に育てあげなければなりません。党員を領袖に忠実な真の共産主義的革命家に育てることは、党風 を確立する活動を通じて成功裏に進められます。党内に革命的党風を確立すれば、党員が領袖を心から 信頼してしたがい、党の路線と方針をあくまで実行していけるようになります。

党風の確立は、革命と建設にたいする党の指導を強化するための必須の要求です。党の指導は党の組 織力と戦闘力によって保障され、党の組織力と戦闘力は、党内に革命的党風を確立するときにのみたえ ず強化していくことができます。

わが党に提起されている革命任務と当面の情勢は、革命的党風をさらに強く確立することを切実に求 めています。

こんにちわが党には、第3次7か年計画を成功裏に遂行して社会主義の完全な勝利を早め、祖国の自 主的統一を実現すべき聖なる革命任務が提起されています。大きく歩みを踏みだした大建設行軍に拍車 をかけて社会主義の完全な勝利を早め、祖国の自主的統一をなしとげる闘争は、全国的範囲で国と民族 の自主性を実現するきわめて困難な闘争です。われわれはこの困難な革命任務を、内外の複雑な情勢の もとで遂行しなければなりません。

いまアメリカ帝国主義者と南朝鮮かいらいは、植民地支配と軍事ファッショ独裁を延長しようとあら ゆる策動をつくしています。かれらは核兵器をはじめ現代兵器を南朝鮮に大々的に搬入し、共和国北半 部を的にした大規模の戦争演習を頻繁にくりひろげています。アメリカ帝国主義者と南朝鮮かいらいの 新たな戦争挑発策動のため、わが国の情勢は緊張をきわめています。

いま一部の社会主義国の情勢も複雑になっています。ある社会主義国では、社会主義・共産主義建設 で守るべき革命的原則をすてて党の地位と役割を弱め、社会生活の各分野に資本主義を取り入れていま す。それらの国では、経済建設における一時的難関を、革命の主体を強化し社会主義制度の優越性を発 揮させる方法で解決するのでなく、「改編」 と 「公開性」 を主張して経済生活をはじめ社会生活の各分 野に資本主義的方法を取り入れ、党の地位と役割を弱めています。党の地位と役割を弱めるのは、社会 主義・共産主義建設の根本原則に反することです。

社会主義・共産主義を成功裏に建設するには、党の地位を強め、革命と建設にたいする党の指導的役 割をいっそう強化しなければなりません。われわれは社会主義の完全な勝利と祖国の自主的統一を早め る聖なる闘争で、革命的原則をすてるのでなく固守し、党の地位と役割を弱めるのでなくあらゆる面か ら強めるべきです。党の地位と役割を各方面から強化するには、党内に革命的党風を確立しなければな りません。

わが党はこれまで、党風の確立を党建設と党活動における重要な問題の一つと認め、革命的党風を確 立するためにたえず努力してきました。その結果、こんにち党内には心から領袖を仰ぎ、領袖のために すべてをつくしてたたかう革命的党風が確立されました。しかし、われわれはこれに満足してはならず、 党風を確立する活動をいささかもおろそかにしてはなりません。われわれは、党の基礎を構築する歴史 的偉業が実現し、全党のチュチェ思想化が深化しているこんにちの状況に即して、革命的党風を確立す る闘争を新たな高い段階で力強くくりひろげるべきです。

「全党に革命的党風を確立しよう!」 これがこんにち、わが党のかかげているスローガンです。すべ ての党組織は、この戦闘的スローガンを高くかかげて党の戦闘力と指導的役割をさらに高め、チュチェ 革命偉業の完成をめざして積極的にたたかうべきです。

革命的党風の確立において提起される重要な課題は、なによりも党員のあいだで党性を強め、領袖を 忠誠をもって奉じ、チュチェ革命偉業の完成のために献身するようにすることです。

党性を強めることは、党風の確立における根本要求です。

党性とは革命的領袖観にもとづく高い党的自覚であり、領袖の指導にしたがってチュチェの革命偉業 を完成するために水火をいとわずたたかう不撓不屈の革命精神です。党性とは一言でいって領袖への忠 実性です。

党員のあいだで領袖への忠実性を高めてこそ、かれらが領袖を戴く正しい立場と姿勢を持し、領袖を 中心に一心団結し、チュチェ革命偉業の完成のために献身することができます。領袖を戴く正しい立場 と姿勢を持することをぬきにして、党風について考えることはできません。領袖への忠実性を第一の生 命とし、領袖のまわりに一心団結してチュチェ革命偉業の完成のために献身する気風は、わが党の党風 において核心をなし、本質的内容をなします。いまわが党が党風を確立する闘争を積極的にくりひろげ ているのも、領袖への忠実性をいっそう高めることが目的です。したがって党風を確立する闘争では、 領袖への忠実性を高めることを基本とし、これにすべてを指向させ帰着させるべきです。

現在、一部の活動家と党員のあいだには、忠実性の欠けた行為が少なからずあらわれています。一部 の活動家は、領袖以外は誰も認めないという確固たる信念がないため、個別的幹部に幻想をいだいてへ つらい、かれにとりいって一身上の問題を解決しようとしたり、権力におもねり卑屈に行動しています。

はなはだしくは、一部の活動家はひたすら領袖に運命を委ねるのでなく、党に社交的な態度をとり、同 床異夢、面従腹背に走っています。一部の活動家は領袖の思想に反する事大主義、修正主義など異質の 思想を明確に識別できず、それと強くたたかっていません。また一部の活動家は革命任務の遂行に身を 入れて熱心に仕事をするのでなく、現状維持の姿勢に甘んじ、貴族化して人民生活はどうなろうと私利 私欲をむさぼっています。一部の活動家は党の政策が満足に実行されていないことに心を痛め、問題を 解決しようと懸命に努力するのでなく、憂国の士のように心配しているだけです。こうしたことはいず れも、党と領袖への忠実性に欠けている表現です。それゆえ、党風の確立において、忠実性を高めるこ とを第一義的な課題として強くおし進めるべきです。

領袖への忠実性を高めるうえで重要なのは、忠実性を革命的信念とし信義とすることです。

領袖への忠実性を革命的信念とし信義とするというのは、領袖に忠誠をつくすゆるぎない決意をもち、 それをたがえることのない革命的信条、道徳的義務とすることを意味します。領袖への忠実性を革命的 信念とし信義としてこそ、それがいかなる環境のもとでも矯飾と変心のない真の忠実性となり、真実で 強固なものとなりえます。

領袖への忠実性は、党生活の過程で強固になり信念化されます。しかし、党生活の期間が長いからと いって、領袖への忠実性が自然に強固になり信念化されるのではありません。領袖への忠実性は、領袖 の地位と役割にかんする正しい認識をもち、党生活の過程を通じて意識的にたえず努力するときにのみ、 確固たる信念となるのです。党組織は党員のあいだで、領袖への忠実性を革命的信念とすることについ て一般的な強調をするのでなく、かれらが革命の主体にたいする正しい認識をもち、革命的領袖観を確 立するようにすべきです。社会的・政治的生命体は、一つの生命として結合して運命をともにする領袖、 党、大衆の統一体です。領袖、党、大衆が一つの生命として結合した社会的・政治的集団では、助け合 い愛し合う革命的信義と同志愛の関係が領袖を中心に築かれ、それは領袖と戦士との関係においてもっ とも気高い高さで表現されます。したがって、領袖への忠実性と同志愛は、絶対的で無条件的なものと なります。革命の主体にかんする原理を深く体得するとき、領袖への忠実性を革命的信念とし、領袖に したがい、ひたすら忠誠をつくすことができます。

領袖への忠実性を革命的信念とし信義とするためには、領袖を心の底から切々と敬慕しなけれ ばなりません。われわれは党員が、人民を限りなく愛し、人民の幸福のために一生をつくしている 金日成同志の革命業績と共産主義的品格をよく知り、金日成同志がいるがゆえに、栄光に みちた昨日と今日があり、輝かしい明日があることを深く認識するようにしなければなりません。こう してすべての党員が、金日成同志を戴いて生きる革命的誇りと自負をいだき、金日成同志 を心からかたく信じてしたがい、永遠に奉じるようにすべきです。

領袖への忠実性を高めるうえで重要なのは、領袖の革命業績を擁護、固守し、一貫して継承し発展さ せることです。

領袖への忠実性は、革命の道をはじめて切り開いた領袖の革命業績を擁護、固守し、革命の命脈を受 け継いでいく闘争を通じてのみ、さらに高めることができます。領袖の革命業績を擁護、固守し、革命 の命脈を受け継いでいく過程で領袖の偉大さをいっそう明確に知り、チュチェの革命偉業に最後まで忠 実であろうとする不撓不屈の革命的意志がかたまるようになります。領袖の革命業績を擁護、固守し、 革命の命脈を受け継ぐことは、領袖への忠実性を高めるうえできわめて重要な役割を果たします。

領袖の革命業績を擁護、固守し、革命の命脈を受け継ぐことは非常に重要な問題であるため、内外の 敵は、領袖の革命業績を切り崩すことに攻撃のほこ先を向けています。わが党の闘争歴史や国際共産主 義運動の歴史をみても、革命の背信者は例外なく領袖の革命業績を切り崩そうと悪らつに策動しました。

歴史的経験は、領袖の革命業績にたいする態度が忠臣と奸臣を判別する尺度となることを示しています。

前面では万歳を唱え、陰では領袖の業績を傷つけ抹殺しようとする者は面従腹背の奸臣であり、革命の 背信者です。労働者階級の革命闘争史には、忠臣の仮面をかぶって革命隊伍に潜り込み、領袖の業績を 傷つけ抹殺しようとあらゆる卑劣な策動を弄した奸臣が少なくありません。陰ひなたなく、いかなる逆 境のもとでもかわることなく領袖の業績をもっとも偉大で崇高なものとしてみなし、それを代を継いで 断固擁護、固守し、輝かしていく人であってこそ、真の忠臣、真の革命家といえます。領袖に忠誠をつ くし、領袖を永遠に奉じるためには、領袖の業績を代をついで固守し輝かしていかなければなりません。

領袖の革命偉業を擁護、固守するには、領袖の思想と理論、指導業績を断固擁護、固守し、それを革 命実践にりっぱに具現することが大切です。もちろん領袖の業績を擁護、固守するうえで、事績館をと とのえるのも重要なことです。事績館をととのえるのは、領袖の不滅の革命業績を後世に末長く伝え、 党員と勤労者を領袖に忠実であるように教育するうえで大きな意義をもちます。しかし、事績館をとと のえて教育することだけでは、領袖の革命業績をりっぱに擁護、固守し、代を継いで継承し発展させる ことができません。

領袖は革命偉業を開拓し勝利へと導く過程で、思想、理論、指導業績を積みあげます。

金日成同志は、朝鮮革命を開拓し勝利に導く過程でチュチェの思想、理論と指導業績を積みあ げました。金日成同志の革命業績には、自然と社会、人間を勤労人民大衆の自主的要求に即して 改造する方向と方途が科学的に明示されています。金日成同志の不滅の革命業績は、わが党と人 民の貴重な財宝であり、社会主義・共産主義建設の万代の礎です。われわれは金日成同志の革命 業績をもっとも貴いものとし、それを永遠に固守し、革命実践を通じてたえず輝かしていかなければな りません。

不滅のチュチェ思想を創始したことは、金日成同志の業績のうちでもっとも偉大な業績です。

金日成同志によってチュチェ思想が創始された結果、朝鮮革命はチュチェ思想の旗を高くかかげ て紆余曲折もなく勝利の道を力強く前進し、朝鮮民族は自主独立国家の人民としての尊厳を守ることが できました。チュチェ思想は朝鮮革命と朝鮮民族の生命です。チュチェ思想の示す道にそって進むとき、 朝鮮革命は生々発展し、朝鮮民族は限りなく繁栄するでしょう。われわれはチュチェ思想を確固たる信 念とし、誰がなんといおうとチュチェ思想の要求どおり思考し行動し、チュチェ思想の旗をかかげてわ れわれの方式で生きるべきです。

金日成同志はチュチェ思想を政治、経済、文化など各分野に具現し、党建設、国家建設、武力 建設、経済建設、文化建設における諸原則と方途を全面的に明示し、朝鮮革命を勝利へと賢明に導いて きました。われわれは金日成同志がチュチェ思想を創始し、それを具現して積みあげた思想、理 論、指導業績を断固擁護、固守し、輝かしく継承し発展させていかなければなりません。

金日成同志の築いた輝かしい革命伝統は、わが党が代を継いで擁護、固守し、継承し発展させ るべきもっとも貴重な革命業績です。金日成同志が長期間の困難な抗日革命闘争の過程で築きあ げたわが党の輝かしい革命伝統は、チュチェの革命偉業を代を継いで完成するための強力な武器 です。われわれは 「生産も学習も生活も抗日遊撃隊式に!」 という党のスローガンを高くかかげ、 金日成同志によって抗日革命闘争期に創造された革命精神と闘争気風、闘争業績と闘争経験を断 固擁護、固守し、それを活動と生活の各分野にりっぱに具現していかなければなりません。すべての党 員と勤労者が、朝鮮革命のれい明期に金赫、車光秀をはじめ青年共産主義者がハンビョル (一星) 同志 を団結の中心、指導の中心として高く戴き、革命のきびしい嵐をつきぬけてきた不屈の革命精神と闘争 気風で、代を継いで党の指導にしたがうようにすべきです。

領袖の革命業績を擁護、固守し、継承し発展させるうえで、わが党の伝統的な統一団結を擁護、固守 し、代を継いで継承し発展させるのはとくに重要なことです。金日成同志によってなしとげられ たわが党の伝統的な統一団結を代を継いで継承し発展させてこそ、わが党を永遠にチュチェ型の革命的 党に発展させ、チュチェの革命偉業を代を継いで最後まで完成することができます。金日成同志 を中心とするわが党の統一団結は、チュチェ思想にもとづいて思想、意志のうえでかたく結集した統一 団結であり、革命的信義と同志愛にもとづいて形成されたもっとも真実で強固な統一団結です。われわ れは党中央のまわりに一心団結し、金日成同志によってなしとげられたわが党の統一団結を瞳の ように擁護、固守し、代を継いで継承し発展させなければなりません。

金日成同志の革命業績を擁護、固守し、継承し発展させるうえで、一貫性と継承性の原則を守 ることが大切です。

いま一部の活動家のあいだには、金日成同志の示した路線と政策の実行において一貫性を欠く 傾向があらわれています。各階層大衆との活動にかんする党の一貫した方針を正しく理解していないた め、創作家は昨年、劇映画 『保証』 の製作にあたって、経歴の複雑な大衆との活動を正しくおこなう という方針がいまになってはじめて提起されたかのように描こうとしました。経歴の複雑な大衆 との活動を正しくおこなうという党の方針は、いまになってはじめて提起されたのではありません。

金日成同志は早くも抗日革命闘争の初期、経歴の複雑な大衆との活動を正しくおこなう革命的方 針を示して賢明に指導し、解放後、革命発展の各段階にもこの方針を一貫して堅持しました。にもかか わらず、あたかも以前には提起されていなかった経歴の複雑な大衆との活動の問題が、いまになって提 起され解決されたかのように描こうとしたのは間違いです。映画では、経歴の複雑な大衆との活動を正 しくおこなうという党の一貫した方針を正しく形象化すべきです。

金日成同志は祖国の解放をなしとげ、建党、建国、建軍の三大課題を実現し、社会主義革命を 遂行して社会主義制度を樹立しました。金日成同志の革命偉業を受け継ぐわれわれは当然、 金日成同志の示した思想と政策を一貫して継承し発展させなければなりません。こんにちわが党 は、金日成同志の示した思想と政策を徹頭徹尾、一貫性と継承性の原則で実行しています。ただ、 以前の政策実行において弱く取り扱われた問題や、いまだ着目できなかった問題をとらえて強くおし進 めているだけです。これを簡単にいえば、すでに提示されている党の路線と政策の実行を積極化、活性 化するということです。それゆえ、党がある問題を提起して強く促すときは、それをあたかも新しい方 針であるかのように考え、以前の党の路線と政策をないがしろにしたり投げだしたりせず、革命発展の 新しい要請に即応してそれを積極化、活性化する原則でひきつづき実行すべきです。

領袖への忠実性を高めるうえで重要なのはまた、すべての党員と勤労者が党の意図どおり仕事をりっ ぱに進めて金日成同志の心労を軽減することです。

金日成同志は七十をはるかに越したいまも休息をとらず、工場の労働者と農村の農場員、哨所 の軍人を訪ねて現地指導の道を歩みつづけています。にもかかわらず、一部の活動家は金日成同 志の労苦と心労を軽減するために熱心に仕事をしていません。いま活動家は、金日成同志の心労 を軽減し、万年長寿をはかるべきだと口ではよくいいますが、金日成同志の意図と望みどおり仕 事をりっぱにしてはいません。活動家は金日成同志の望みどおり経済問題を円滑に解決できずに おり、人民生活をすみやかに向上させていません。すべての活動家と党員は、仕事で成果をあげて 金日成同志の心労を軽減するのが、金日成同志をよりりっぱに奉じることになるというこ とを肝に銘じ、各自に課された革命任務を責任をもって遂行しなければなりません。

革命的党風の確立において提起される重要な課題はつぎに、党員が正しい党組織観念をもって党生活 を強化することです。

正しい党組織観念をもって党生活を強化することは、党風確立のカギといえます。

党員に正しい党組織観念をもたせ、党生活を強化してこそ、かれらを領袖のまわりに組織的、思想的 にかたく結集し、領袖の思想と指導に忠実にしたがう革命的な党生活気風、党活動気風を確立すること ができます。

党員のあいだに正しい党組織観念を確立すべきです。

党組織観念は党組織にたいする党員の観点と態度です。言いかえれば、党員が党組織をどのように見 て対し、党組織の指導と統制をどのように受け入れるかという組織観です。

党組織は、党員を社会的・政治的生命体の中心である領袖と組織的、思想的に結びつけ、かれらが領 袖から授かった政治的生命を輝かしていけるようにします。また党組織は、社会的・政治的集団の全構 成員を、領袖の思想と指導に忠実にしたがうように導きます。党組織の線は、党員が領袖と運命をとも にする道で社会的・政治的生命を輝かしていけるようにする生命線であり、領袖の思想と指導に忠実に したがうようにする領袖の指導の線であるといえます。

領袖から授かった社会的・政治的生命が党組織によって保護され、領袖の思想と指導が党組織を通じ て実現されるのですから、党組織観念の問題はつまるところ、領袖から授かった社会的・政治的生命に どう対するかという観点と態度の問題であり、領袖の思想と指導にどのようにしたがうかという立場と 姿勢の問題です。党組織観念をたんに党組織にたいする観点と態度としてのみ見ず、領袖にたいする観 点と態度とみなすのが党組織観念にたいする主体的な見解です。

正しい党組織観念をもってこそ、革命的領袖観を確立して領袖を心から信頼ししたがい、領袖の指導 に忠実にしたがう気風をはじめ、党風の確立における諸問題を成功裏に解決することができます。こう いう意味で、正しい党組織観念をもつ問題は党風の確立において基本であり、党風はすなわち党組織観 念であり、党組織観念は党風だといえます。いま一部の活動家は、党風の確立について強調されたので、 党組織観念という言葉をよく使っていませんが、党風というのは新しい言葉ではありません。党風とい う言葉は、わたしが久しい前からいっている党組織観念と同じ意味として理解すべきです。党風という 言葉と党組織観念という言葉を適切に併用すべきです。

われわれは党風の確立において正しい党組織観念をもつことがカギであることを明確に知り、党組織 観念を高めるべきです。

現在、一部の党員のあいだでは、党組織観念を高めることを党風確立のカギとみなさず、実務的な問 題としてみなしているため、党組織観念に欠けた行為が少なからずあらわれています。一部の党員は、 党組織に創造的意見を一つも提起せず、党組織の決定と分担された任務を誠実に実行しておらず、自分 を特殊な存在と考えて党組織の意見や忠告を素直に受け入れていません。また、党組織に心を許さず、 活動と生活の過程で提起される問題を党組織に正直に報告せず、報告する場合にも自分に有利なことや すでに知られたことだけを報告し、不利なことや自分一人だけ知っていることは報告していません。一 部の活動家は、自分に直接責任のある問題を組織的に上部に報告したり真実を語る人たちにたいし、そ れとなく圧力を加えています。一部の党員は、提起された問題を党組織の指導のもとに解決せず、恣意 的に処理したり、個別的幹部に頼って解決しようとしています。とくに一部の責任幹部は、党細胞書記 が下位の人だからと、党生活で提起される問題を党細胞に報告するのを嫌がり、党細胞が党生活状況を 調べるのをうるさがり、日課にしたがうのを面倒くさく思って、党組織の指導と統制から抜けだそうと しています。

こうしたことはいずれも、心から党を信頼せず、政治生活で綱渡りをし術策を弄する自由主義的傾向 であり、党組織観念のない表現です。党組織観念のない誤った傾向をなくさずには、党風を確立するこ とができず、領袖から授かった政治的生命を輝かしていくこともできません。

党組織は、すべての党員が正しい党組織観念をもって党組織を愛し、尊び、党組織にしっかり依拠し て活動し生活し、党組織の指導と統制を受けるため意識的に努力するようにしなければなりません。

党員に正しい党組織観念をもたせるためには、党組織観念の問題が領袖を奉じる立場と姿勢の問題で あることをかれらに明確に認識させなければなりません。

党組織観念の問題はたんなる党組織と党員との関係にかんする問題ではなく、党員の領袖への立場と 姿勢にかんする問題、領袖観にかんする問題です。領袖はすなわち党であり、党はすなわち領袖です。

領袖の指導はすなわち党の指導です。領袖の指導は、党組織を通じて実現します。領袖が大衆の要求と 利害関係を分析、総合して示した路線と政策は、一つの指導体系によって実行されます。領袖の示した 路線と政策を実行するため、社会的・政治的集団の全構成員がひとしく動くようにするのがほかならぬ 党組織です。

指導の中心はただ一つであり、指導の中心と指導体系は分離することができません。領袖の指導が党 組織を通じて実現されるという正しい観点に立つ人であってこそ、党組織を尊び、領袖の指導に忠実に したがうことができます。党組織の指導を領袖の指導と切り離し、党組織を尊ばず、党組織にたいし社 交的な態度をとる人は、いくら領袖観について饒舌をふるっても、領袖の指導に忠実にしたがうことが できません。したがって、党員のあいだに正しい党組織観念を確立するためには、かれらに、領袖の指 導は党組織を通じて実現されるという正しい認識をまず与えなければなりません。

正しい党組織観念を確立するためには、党組織観念の問題は党組織にたいする党員の観点と態度の問 題であって、党組織の責任者との関係にかんする問題でないことを明確に認識させなければなりません。

いま一部の活動家のあいだには、党組織の責任者が党生活を組織し指導するからといって、かれを党 組織の代表者と思って機嫌をとり顔色をうかがう傾向があらわれています。党組織の責任者のなかで修 養の足りない一部の人は、自分を党組織を代表する者と思い込み、権柄ずくにふるまい専横をきわめて います。これはいずれも、党組織とその責任者にたいする正しい認識に欠けている表現です。党は領袖 の思想と指導を実現するためにたたかう、党員大衆の結集した政治的組織であり、党組織の中心は社会 的 ・政治的生命体の最高頭脳であり、団結と指導の中心である領袖です。領袖は党と人民大衆の志向 と要求を全面的に体現し、党と大衆を組織的、思想的に結束して革命と建設へ奮い立たせます。党と人 民大衆の志向と要求を全面的に体現している領袖のみが全党を代表し、党細胞から党中央委員会にいた るすべての党組織の中心となります。

党組織の責任者はあくまでも、領袖の思想と指導を実現するためにたたかう革命戦士の一人にすぎま せん。党組織の責任者は党組織を代表する者でなく、党員を領袖のまわりに結集し、領袖の思想で教育 し、領袖の示した党政策の実行へと呼び起こすために党組織を動かす人です。党組織の責任者は、会議 を運営する議長と同じです。

党組織の責任者も他の党員と同じように、党組織の一員として組織に依拠して生活しなければなりま せん。党生活では、地位の高い党員と低い党員の区別はありえず、すべての党員が党組織の主人です。

だからといって、党組織に属するすべての党員の地位と役割がまったく同じなのではありません。党員 の意思によって選挙された党書記には、党員の組織・思想生活を責任をもって指導する権限と義務があ り、党員には自分の選挙した党書記に活動と生活で提起される問題を報告する義務があります。党書記 は党員の党生活を組織し指導するからと、自分を党組織の中心と考えてはならず、党員は党書記に活動 と生活で提起される問題を報告するからと、それを個別的幹部への報告と考えてもなりません。党員が 活動と生活で提起される問題を党書記に報告するのは、党書記を通じて党組織に報告することです。

党組織はすべての党員に、党組織の中心は領袖であることを明確に認識させ、正しい党組織観念をも たせなければなりません。

党員の党生活をさらに強化すべきです。

党生活は社会的・政治的生命体の中心である領袖と組織的、政治的に結合した党員の政治生活であり、 社会的・政治的生命を輝かしていく革命活動です。党生活に参加しない党員は事実上、党員とはいえず、 党員の党生活を組織、指導しない党は、労働者階級の党とはいえません。党の健全さは、その党が党員 の党生活をいかに健全に組織し指導するかによって決まります。党員の党生活を弱めるのは、現代修正 主義の主な特徴の一つです。

党員は党生活の過程で領袖の思想と指導をたえず受け、その実現のため積極的にたたかうようになり ます。党員の党生活はすなわち、領袖の思想と指導にしたがう過程であるといえます。党員が党生活を 強化してこそ、領袖のまわりに組織的、思想的にしっかりと結集し、領袖の思想と指導にしたがう革命 的な党生活気風、党活動気風を確立することができます。

党生活を強化するうえで重要なのは、党員のあいだで自覚的で意識的な党生活気風を確立することで す。

組織の統制と要求にたえかねてしぶしぶ党生活に参加する人は、真の党員とはいえません。党員は、 魚が水を離れては生きていけないように党組織を離れては一瞬たりとも生きていけないという観点と 立場に立って、いつどこにあっても陰ひなたなく党生活に自覚的に、誠実に参加し、党組織の指導と統 制を受けるため意識的に努力すべきです。

党員のあいだに自覚的で意識的な党生活気風を確立するには、党生活を日常化、習性化しなければな りません。党生活を日常化、習性化してこそ、党員が党組織に依拠して生活する気風をうち立て、その 過程で組織性と規律性を高めることができます。党員は睡眠時間を除いては党生活を瞬時も中断しては なりません。すべての党員は、党生活を日常化、習性化することを体質化すべきです。

自覚的で意識的な党生活気風の確立で、党生活総括を実質的におこなうことが大切です。党生活総括 は党員を革命的に教育し、組織的、思想的に鍛える強力な手段です。党生活総括は、党員の党生活にあ らわれる欠陥をそのつど批判、総括させて、党員を領袖に限りなく忠実な真の共産主義的革命家に育て るようにします。

いま一部の党員は、党生活総括が思想鍛練の主要契機になるよう実質的におこなうのでなく、形式的 にしています。一部の党組織での党生活総括状況をみると、多くの場合、空疎な言葉や実務的な問題で すませ、自己批判を懺悔式にするかと思うと、批判も活発にしていません。ただ忠実性が足りないとい うふうに同じ内容で党生活総括をしていますが、実際上、領袖への忠実性のない党員は、党内にいる資 格がありません。党生活総括を思想教育と革命的鍛練の契機にするには、党の唯一思想体系確立の原則 にもとづいて党生活総括の準備を十分にし、強い批判の雰囲気でおこなわなければなりません。党生活 総括会議では、過ちを犯した党員を集中的に批判すべきです。そうしてこそ、思想闘争の度を強め、欠 陥のある党員を批判する過程で他の党員もそのあおりを受けて自らをかえりみるようになります。

党生活を強化するうえで重要なのはまた、職階上の観念や二重規律を許さないようにすることです。

活動では職階の高低があっても、党生活では地位の高い党員と低い党員の区別はありません。ところが いま一部の幹部、とくに党の責任幹部は、党生活総括や党の学習会にも満足に参加しておらず、党会議 に参加しては法官のようにふるまっています。党生活で職階上の観念や二重規律が許されれば、幹部の あいだでは高慢さが助長され、平党員のあいだではかれらにたいする幻想と追従、偶像化が生じて、結 局、党内には異質の要素が芽生えるようになります。党内ではすべての党員が地位と功労、勤務年限に かかわりなく一つの組織規律に服従することを鉄則とすべきです。各党組織は、すべての党員が党規約 上の要求と党生活規範の要求どおり生活するよう統制を強化し、党生活で二重規律が許されないように すべきです。

批判と思想闘争を強化するのは、健全な党生活気風を確立するための重要な要求です。批判と思想闘 争を強化してこそ、人びとの頭に残っている古い思想をなくしてかれらを革命的に教育し鍛練すること ができ、党員間に健全な同志的関係が結ばれるのです。批判と思想闘争のない無風地帯では、人びとが 思想的に弛緩し変質し、雑多な化け物が出てきかねません。

批判の目的は、同志の欠点をあばきだして人格を傷つけたり問題視することでなく、欠陥を是正させ て真の共産主義的革命家にならしめることです。批判は同志への愛情と信頼の表示です。党員は批判に たいする正しい観点に立ち、批判と思想闘争に積極的に参加すべきです。

一部の党員は批判をたいへん恐れてことなかれ主義に陥り、自己批判をするときは自らの思想的病根 を率直にうち明けて虚心にせず、批判をするときも他人の顔色をうかがって曖昧にしています。一部の 責任幹部は、下部の活動家から批判されると活動上の権威が低落するかのように考え、批判されたこと で神経をとがらせ、批判した人に機会あるたびに仕返しをしています。これはすべて、批判にたいする 正しい観点に立っていない表現です。

批判と思想闘争を強化するには、民主主義を高く発揮しなければなりません。党内では誰をとわず批 判したり批判を受けたりし、上部への批判や下部への批判も必要ですが、とくに下部からの批判を強め るべきです。これと同時に、批判されたからと仕返しをしたり、むやみに政治的レッテルをはって恐怖 の雰囲気をつくりだすなど、批判に歯止めをかける傾向を一掃すべきです。

革命的党風の確立において提起される重要な課題はつぎに、党の路線と政策を無条件あくまで実行す る革命的気風をうち立てることです。

党の路線と政策を無条件あくまで実行することは、党活動気風の重要な内容の一つです。

党の路線と政策はわが党と人民の組織的意思であり、党員と勤労者のすべての活動の指針です。わが 党のすべての路線と政策にはチュチェ思想が貫かれており、わが国を富強にし人民の生活を向上させる 方向と方途が示されています。党の路線と政策をりっぱに実行すれば、社会主義建設でひきつづき高揚 を起こし、人民生活も向上させ、全社会のチュチェ思想化の歴史的偉業も成功裏に遂行することができ ます。

党の路線と政策をりっぱに実行するためには、なによりも党の路線と政策の本質と正当性を深く把握 しなければなりません。党の路線と政策の本質と正当性を深く把握するのは、それをりっぱに実行する ための先決条件です。党の路線と政策の本質と正当性を深く把握してこそ、確固たる信念をもってその 正しい実行方途を見いだし、党の路線と政策を最後まで実行することができます。党の路線と政策の本 質と正当性を深く理解しなければ、党政策を実行する活動を正しく進めることができず、ささいな難関 に直面してもそれにうちかてず動揺するようになります。

すべての党員と勤労者がわが党の政策の本質とその正当性を正しく認識し、いかに困難で複雑な環境 のもとでも動揺せず、それをあくまで実行していくようにすべきです。

党の路線と政策をりっぱに実行するためにはまた、活動家が絶対性、無条件性の精神をもって組織・ 指導活動に綿密に取り組まなければなりません。党の路線と政策が成功裏に実行されるかいなかは、わ が党の中核力量であり、革命の指揮メンバーである幹部がいかなる思想観点と態度でどのように活動す るかにかかっています。幹部は絶対性、無条件性の精神をもって、党の路線と政策を実行するための組 織・指導活動を着実に進めなければなりません。幹部は一、二度仕事の手配をして万歳を唱えたり中途 で投げだしたりすることなく、いったんはじめた仕事はどんなことがあってもねばり強く取り組んでき まりをつけなければなりません。とくに党活動家は誰よりも党の路線と政策にたいする絶対性、無条件 性の精神をもち、その実行のためにねばり強く努力しなければなりません。それでこそ、党員と勤労者 を党の路線と政策の実行へと力強く奮い立たせ、全社会に党の路線と政策を無条件あくまで実行する革 命的気風をうち立てることができます。党活動家が党の路線と政策にたいする絶対性、無条件性の精神 に徹していなければ、党の路線と政策の実行を妨げる誤った傾向とたたかうことができず、党の路線と 政策を最後まで擁護し実行することができません。党活動家は誰がなんといおうと党の路線と政策を絶 対的なものとして受け入れ、あくまで実行しなければなりません。党活動家は、素手で壁を突き破れと いわれれば突き破り、岩を砕いて突破口を開けといわれれば切り開く絶対的で無条件的な精神をもって、 党の路線と政策を実行するため頑強にたたかわなければなりません。

党の路線と政策をあくまで実行するためにはまた、自力更生、刻苦奮闘の革命精神を強く発揮しなけ ればなりません。

自力更生、刻苦奮闘の革命精神は、革命と建設におけるすべての問題を、いかに困難で複雑な環境の もとでも動揺することなく、自分が責任をもって自分の力で解決していく共産主義者の革命精神です。

自力更生、刻苦奮闘の革命精神を強く発揮してこそ、ないものはつくりだし、不足するものは探し出し て党の路線と政策を自力で最後まで実行することができ、いかなる困難な状況のもとでも失望せず、難 関と試練を勇敢にのりこえて継続前進、継続革新することができます。いまわれわれは、内外の情勢が 複雑をきわめ、すべてが欠乏している困難な状況のもとで、社会主義建設と祖国の自主的統一を促進す るためにたたかっています。しかしわれわれは、他人の助けを受けようとしてはならず、また受けるこ ともできません。われわれはもっぱら、人民の力に頼って自力更生、刻苦奮闘し、社会主義建設と祖国 の自主的統一のためにたたかわなければなりません。

自力更生、刻苦奮闘の革命精神を強く発揮するには、活動家に強い生活力がなければなりません。

金日成同志は最近、活動家が強い生活力を発揮して自分の部門、自分の単位に課された課題を 自力で遂行し、経済管理を几帳面にするよう再三強調しました。

生活力とは文字どおり生きていく力をいいます。活動家に強い生活力があってこそ、高い責任感と創 意を発揮し、自己の単位に提起された革命課題を自力で成功裏に遂行することができます。

いま生活力の強い活動家のいる郡では、党の意図どおり郡の経済管理を自分の力でりっばにおこなっ ています。しかし、生活力の弱い活動家のいる郡ではそうでありません。生活力のない活動家は党から なにか指示されると、自分の力で遂行しようとせず上部に期待をかけ、上部から提供してもらおうとば かりしています。そういう活動家は大衆のなかに入って潜在力と可能性を探し出そうとせず、大衆の力 と知恵を引き出そうともしません。活動家はつねに人民の力を信じ、それを効果的に汲みあげなければ なりません。人民の力を正しく汲みあげるならば、この世になしとげられないことはありません。

われわれはすべての幹部が自らの力、人民大衆の力を信じて自力更生、刻苦奮闘し、自分の単位に提 起される革命課題を自分の力で責任をもって遂行していくようにすべきです。すべての部門、すべての 単位で自力更生、刻苦奮闘してまかされた課題を自分の力でりっぱに遂行するなら、党の路線と政策が 成功裏に実行され、社会主義建設と祖国統一をめざす闘争に大きな前進がもたらされるでしょう。

党の路線と政策をりっぱに実行するためにはまた、敗北主義、形式主義、要領主義、保守主義など不 健全な思想との闘争を力強くくりひろげなければなりません。

敗北主義、形式主義、要領主義、保守主義は、党の路線と政策の実行を妨げる主な障害です。活動家 が敗北主義、形式主義、要領主義、保守主義に染まれば、なにごとも主人らしく責任をもってすること ができず、結局は党の示した方針をどれ一つまともに実行できなくなります。党組織は思想闘争を活発 にくりひろげ、敗北主義、形式主義、要領主義、保守主義など党政策の実行を妨げるあらゆる不健全な 思想を根こそぎにすべきです。

革命的党風の確立において提起される重要な課題はつぎに、活動家が大衆のなかに深く入り、大衆の 力に依拠してすべての問題を解決する人民的気風をうち立てることです。

活動家が日ごろ大衆のなかに入って下部の実情を具体的に把握し、大衆の志向と要求に即して活動を 展開するのは、党活動気風の重要な内容であり、金日成的活動方法の重要な要求です。活動家が 大衆のなかに深く入ってこそ、党と大衆との血のつながりを強め、大衆を党のまわりにいっそうかたく 結集することができ、大衆の革命的熱意と創意を大いに引き出して障害と難関をのりこえ、革命と建設 を成功裏に推進することができます。

活動家が大衆のなかに深く入るためには、革命的大衆観を確立しなければなりません。活動家が大衆 のなかに入らない原因はいろいろありますが、その主な原因の一つは、正しい大衆観が確立されていな いところにあります。活動家に正しい大衆観が確立されていなければ大衆のなかに入ることができず、 大衆のなかに入るとしても、大衆の力と知恵を引き出すことができません。活動家は、大衆は教師であ り、大衆の力と知恵を引き出せばなしとげられないことがないということを明確に知り、大衆のなかに 深く入るべきです。

活動家が大衆のなかに深く入るにはまた、事務室的活動方法を決定的になくし、抗日遊撃隊式の活動 方法で仕事をしなければなりません。

わたしはすでに久しい前に、活動家が抗日遊撃隊の指揮官のように背のうを背負って大衆のなかに深 く入り、自分の手で種をまいて取入れをする方法で活動するという方針を示しました。ところが一部の 活動家は、抗日遊撃隊の指揮官のように背のうを背負って大衆のなかに入って活動するのでなく、事務 室にばかりかまえて、活動をすべて会議や文書、電話ですませています。少なからぬ党活動家は、大衆 のなかに入ってかれらを教育し革命課題の遂行に奮起させる生きた人間との活動をするのでなく、主と して事務室にかまえて文書をもって仕事をしており、行政・経済幹部は生産現場に出向いて実情を具体 的に把握し、生産者と協力して難問を解決する方法で生産指揮をとるのでなく、事務室にかまえて電話 や文書で生産指揮をとっています。党活動家と行政・経済幹部とをとわず、すべての幹部が生産現場に 出向いて現実を具体的に調査、研究し、綿密に見積もらなくては、人びとを正しく教育することも、生 産を正しく指揮することもできません。活動家は思いきって事務室的活動方法から脱皮し、抗日遊撃隊 の指揮官のように背のうを背負って生産現場に出向き、大衆から学び大衆を教え、現実を具体的に研究 し、綿密に見積もって、あらゆる潜在力と可能性を引き出す方法で活動すべきです。

活動家が下部に出向くときはそれを計画化し、解決すべき目標と方法論を具体的に立てて出向かなけ ればなりません。そうではなく、なんの準備もなく無計画に出向いては、下部の実状をつぶさに把握す ることも、下部の活動家の仕事を実質的に援助することもできず、事務室にかまえて下部の活動家の敗 北主義的な意見を聞き取って帰ってくる始末になりかねません。したがって活動家は、下部に出向くと き、解決すべき目標を明確に立て、当該部門の活動にかんする党の方針と一般的実情を把握したうえで、 それに対処する案を具体的に立てて出向き、下部を実質的に援助すべきです。

活動家は下部からもどってくれば、必ず現地での活動状況を総括すべきです。それでこそ、下部にた いする指導活動での成果と欠点を見つけだして改善対策を立て、指導方法も改めることができます。

革命的党風の確立において提起される課題はつぎに、党内に革命的規律をうち立てることです。

党にとって規律は、党員を領袖のまわりにかたく結集し、領袖の思想と指導を実現する強力な武器で す。党員が党組織の一員になったからといって、自然に領袖と組織的、思想的に結合するのではありま せん。領袖との組織的・思想的結合は、党の組織原則と組織規律にしたがってひとしく動くときにのみ 実現するのです。

規律は労働者階級の党の生命であり、戦闘力を強める基本的な保障です。党は数百万の党員からなっ ていますが、強い組織性と規律性によって一つの有機体のように動くことになります。党内に強い規律 をうち立ててこそ、思想、意志のうえでの団結と行動の統一を保ち、全党が領袖の思想と意図どおり呼 吸し行動する革命的党風を確立することができます。

党組織は、革命的党風の確立における組織性と規律性の重要さを明確に知り、党内に革命的規律をう ち立てるため積極的に努力すべきです。

党事業と党活動における重要かつ原則的な問題を党中央に報告し、結論を得て処理する厳格な規律を うち立てるべきです。そうしてこそ、すべての党事業と党活動を党の思想と意図どおり展開し、党中央 の唯一的指導のもとに全党がひとしく動くことができます。しかし、いま一部の党組織は、党中央に当 然報告すべき問題を報告しておらず、いったん結論が出た問題もそのとおり実行していません。これは 無規律な行為であり、党風の確立していない表現です。活動を展開する過程には、さまざまの新しい複 雑な問題が提起されるはずです。党組織と党活動家は、提起された問題のうち重要な原則的問題と政策 的問題は必ず党中央に報告し、いったん結論が出た問題にたいしてはそれを法とし、至上の命令とみな し、いささかも加減せずそのとおり実行すべきです。党組織は、党事業と党活動における重要かつ原則 的な問題を、自分の地方、自分の単位の特殊性をうんぬんして恣意的に処理する傾向をいっさいなくし、 党中央に報告し結論を得て処理するのを鉄則とすべきです。

党規約上の要求を厳守すべきです。党規約は、党活動の規範であり、党生活の準則です。党組織は、 すべての党員が党規約を日常的に学習してその内容に精通し、いつどこにあっても党規約の要求どおり 活動し生活するようにしなければなりません。これと同時に、党規約の要求に反する行動とは強くたた かって適時に克服すべきです。

上下関係のけじめをつけて活動する秩序を厳守すべきです。党生活では地位の高い党員と低い党員の 区別はありえませんが、活動においては職階上の格差があります。活動では上下関係を明確にし、下部 の活動家は上部の活動家に服従し、上部の活動家が与える任務を確実に実行する規律と秩序を厳守すべ きです。だからといって、職階上の間隔をおけというのではありません。上下関係を区別する問題と職 階上の間隔をおく問題は別の問題です。活動では上下関係を区別すべきですが、職階上の間隔はいっさ いなくさなければなりません。

秘密は革命組織の生命であり、革命闘争の勝利を裏付ける重要な保障です。秘密を厳守してこそ、党 が革命の参謀部として革命と建設にたいする指導を成功裏に実現し、党と革命隊伍の統一団結を強固な ものにすることができます。秘密を守ることは党生活と党活動で堅持すべき原則的問題であり、党員が 身につけるべき重要な品性です。秘密を守ることも、他のすべてのことと同じく、党員がそれにたいす る正しい観念をもってはじめてスムーズにいくものです。党組織は党員が秘密にたいする正しい観念を もち、ささいな秘密も漏らさないようにすべきです。これと同時に、秘密が漏れないように実質的な対 策を講じるべきです。

革命的な規律を確立するには、要求の度合を強めなければなりません。規律は自覚を前提とするから といって、党員が規律を自覚的に守ることばかり望んでいてはなりません。規律にたいする要求の度合 を強めなければ、鍛えられていない一部の人に自分勝手で無規律な行為があらわれかねません。規律は、 高度の自覚に強い要求が結合してこそ確立されるものです。党組織は要求の度合をさらに強め、党内に 革命的な規律をうち立てるべきです。

革命的党風を確立するためには、党組織の役割を高めることがきわめて重要です。

革命的党風を確立することは、革命的な党生活気風と党活動気風をうち立てることであるため、その 成果いかんは党生活と党活動を組織し指導する党組織の役割に大きくかかっています。

党組織は革命的党風を確立する組織・指導活動に力を入れなければなりません。党風を確立する活動 を責任をもって組織、指導するのは、党組織の基本任務の一つです。党組織は発展する現実の要請に即 応して党風を確立する活動を綿密に手配し、その実行状況をそのつど調べて対策を立て、その活動で偏 向があらわれないようにすべきです。

党風の確立において、各級党委員会の組織部と宣伝部の提携作戦を効果的におこなわなければなりま せん。党風を確立する活動は、各級党委員会の組織部と宣伝部がともに力を入れるべき重要な活動です。

組織部では、党風の確立にあらわれる欠陥とその原因を科学的に分析して宣伝部に渡し、宣伝部では、 組織部から受けた資料にもとづいて党風を確立する教育活動に綿密に取り組まなければなりません。各 級党委員会の組織部と宣伝部では部署本位主義をなくし、党風確立の活動をつねに協議して共同で作戦 を練り、下部の党組織にたいする指導で歩調を合わせなければなりません。

すべての党組織は、党と革命発展の新たな要請に即応して全党に革命的党風を確立する闘争を強力に 展開し、わが党をチュチェの革命的党にいっそう発展させなければなりません。