金日成同志をわが共和国の永遠の主席として高く戴こう
―朝鮮労働党中央委員会の責任幹部との談話―

金正日

  わたしはこの間、主席の柩のかたわらにいながら、どうすれば亡くなられた主席を永久におし戴くことができるのか、どうすれば主席の偉大な思想と不滅の業績を固守し輝かしく継承発展させることができるのか、ただそれだけを考えていました。

われわれはいかにしても主席を生前の姿で永遠にわれわれのそばに安置しなくてはなりません。主席の姿をそのままに、慈しみ深い姿をそのままにして安置し、主席が永遠にわれわれとともにおられるようにしなくてはなりません。

われわれは全人民の総意にしたがって主席をわが共和国の主席として高く戴き、全人民の至誠をつくしてこの主席宮を建設しました。主席は生命の最後の瞬間までこの主席宮で仕事をされました。そして錦繍山議事堂という名前も主席が直接つけてくれたものです。それゆえ、ここに主席を永遠に安置し、この主席宮を永遠に主席の記念館にしようというのがわたしの決心です。

主席が亡くなられたあと、党中央委員会政治局の成員と人民のなかでは、わたしを共和国主席として推戴すべきだという意見と要求が多く提起されました。わたしは、同志たちと人民がわたしに示してくれるこのような信任についてありがたく思いますが、われわれはこの問題を深思熟考して決定しなくてはなりません。

党の指導体系、国家の指導体系、軍隊の指導体系をどのようにうちたてるかは、革命と建設の前途と関連した非常に重要な問題です。

主席は生前、わが党の指導体系、国家の指導体系、軍隊の指導体系がどうあるべきかについて、何度も貴重な教示をされました。わたしは主席の教えを深くうけとめて、主席がわれわれのそばを去られた条件のなかで、わが党と国家、軍隊の指導体系をいかにうちたてるべきかについて深く考えてみました。

わが党と国家、軍隊の指導体系は、ひとえに主席がきりひらき指導してきたチュチェ革命偉業をもっとも徹底的に擁護固守し、忠実に継承発展させていくことができる指導体系にならなくてはなりません。そうすることによって、わが党と国家と軍隊を永遠に主席の党、主席の国家、主席の軍隊として強化発展させなくてはなりません。

尊敬する金日成同志は、朝鮮民族の5000年の歴史において初めて迎えたわが国の傑出した指導者であり、わが人民の慈愛深い父であり、全世界が敬慕する偉大な思想家、政治家であり偉大な革命家、偉大な人間でした。

金日成同志はこの世のだれにも比べることができない天才的な思想理論と卓越した指導力をそなえた偉大な領袖であり、たとえようもない崇高な仁徳で万民を懐のなかに抱いてくれる天のような方です。わが主席は、その天才的な思想理論と特出した指導力によって、かぎりなく度量が大きく慈愛にみちた品性と高い徳望によって、人類の歴史がつとに知りえなかった尊敬と欽慕を生んだ偉人中の偉人です。

偉大な領袖金日成同志を亡くしたことは、わが党と革命の最大の損失であり、わが人民にとってたえがたい悲しみです。偉大な領袖、偉大な父を思いもよらず亡くした悲憤で全国の人民が身悶え慟哭し、亡くなられた主席があまりにも懐かしく、万寿台の丘に高くそびえている主席の銅像と全国各地の銅像、史蹟地を訪ねて追慕する人民の波は、昼も夜も、どしゃぶりの雨のなかでも絶えることがありませんでした。全同胞が民族の父を失った大きな悲哀に沈み、主席の逝去を悼んで数多くの海外同胞が祖国に駆けつけ、主席の霊前で声をあげて泣きました。金日成主席の逝去は人類の大きな損失として全世界が深い哀悼を表し、数億の人民がわれわれとともに悲しみを分かちあっています。われわれはここから、主席がわが人民とわが民族にとって、平和を愛する世界人民にとって、どのような方であったかをさらに痛感しました。

事実上、かつては国際舞台でとるにたりない国にすぎなかった朝鮮という小さい国が、まさに金日成主席の指導と名声によって全世界にその名をとどろかせ、今日のように世界の関心を集める国際共同体の焦点となりました。今日のように、わが国を威力あり尊厳ある国に、わが人民を堂々として誇り高い人民にしたのはすべて主席の功績です。

われわれはこのように主席を戴いて革命をおこなってきたという誇りと自負をわれわれの歴史と後世に残さなくてはならず、永遠に輝かせなくてはなりません。傑出した偉人、傑出した指導者をわれわれの歴史にそのまま残すことが、まさに主席を戴き、ともにたたかい、ともに生きてきたわが党と人民が歴史の前に、後世にたいして果たすべき本分です。

主席は偉大な人間愛でわれわれに大きな愛と信頼をめぐらし、われわれ1人1人をあたたかく導いてくれました。われわれすべてをゆるぎない信念を抱いて革命を最後まで遂行できる革命家として育ててくれた主席、師匠にたいする人間的な義理を守らなくてはなりません。

金日成主席は、全朝鮮人民の一致した意志と絶対的な支持によって高く推戴された、わが共和国の初代主席でした。わが国で主席とは、すなわち金日成主席であります。全世界の友人たちも、わが国の主席を尊敬の心と親近感をもって金日成主席と親しく呼んでいました。主席という言葉は、父なる主席の尊名と切り離すことができないものとして、わが人民と全民族の心のなかに深く刻まれており、金日成主席という尊称は世界人民のなかで消すことのできないものとなっています。

われわれは主席を金日成主席という親近感をもった尊称と高い名声によって、わが人民の心のなかに、世界の進歩的人民の心のなかに永生されるようにしなくてはなりません。このようにして永生される金日成主席以外に、わが国には他の主席などありえず、永生されるわが主席をおいて他の人が主席という職責をもつことはできません。

主席はわれわれのそばを去りましたが、わが祖国と人民の前に、世界と人類の前に特出した貢献をし、もっとも高い尊敬と欽慕をうけてきた金日成主席をわが国の歴史上ただ1人の主席として、初めての主席であると同時に永遠の主席として高くおし戴くのが、わたしの確固たる意志です。

われわれは全人類が親しみ、貴い名前となった金日成主席という尊称を祖国の歴史に永遠に刻んで、後代にも主席というときにはただ金日成主席だけを誇り高く呼ぶようにしなくてはなりません。

わたしはこうした立場と姿勢から、偉大な領袖金日成同志を生前とかわらず千年も万年も高く仰いで、わが国で主席はただ金日成主席だけであり、歴史に永遠に輝かせようと決心しました。

それゆえ、わが国の憲法で主席制をなくして、これに合わせて国家主権機関の体系を改めようということです。わが主席のような天性を備えた偉大な方は現時代には現れないであろうし、したがって今後も主席のみをわが国の唯一の主席として高くいただき、他の人はだれも主席という職名をもつことができないことを法制化しなくてはなりません。

偉大な主席がつくられた社会主義憲法にしたがって、わが国では今まで国家首班である主席がいて、主席が直接指導する中央人民委員会は国家主権の最高指導機関としての主権的指導機能を遂行し、最高人民会議常設会議は最高人民会議の常務機関として活動してきました。いま主席制をなくす条件のもとで主席の指導のもとで活動した中央人民委員会をそのまま保存することは意義がなくなりました。それゆえ中央人民委員会が遂行した機能と最高人民会議の常設会議が遂行した機能を適切に統合調節して、最高人民会議常任委員会のような国家機構をうち出し、最高人民会議常任委員会が最高人民会議の休会期間の最高主権機関の機能を遂行するようにして、そこに委員長と若干名の副委員長をおいて活動することが合理的だと思います。

わたしが主席の職責をひきうけるよう提起されたことにたいして言うとすれば、これはわたしの遠慮というよりも、わたしの意志に合わないためにひきうけることができないのです。わたしはただ、主席の思想と路線に従う主席の戦士であり弟子であるため主席という職責を担うことはできず、またそれは妥当ではありません。

わたしだけでなく他のすべての同志たちも主席の戦士、弟子として、かつてもこれからも主席に捧げる忠誠と孝誠において、いささかも変化がないようにしなくてはなりません。

わたしは主席の意図にしたがって、そして同志と人民のあつい信任にしたがって革命と建設の全般的活動を指導しながら、おもにわが党と革命武力を強化するための活動に全力をつくそうと思います。

主席はわたしに、わが革命偉業を完成させることは決して簡単ではないといいながら、国家の行政経済活動の実務にまきこまれることなく、党と人民軍を強化することに大きな力を入れなくてはならないとくり返し頼まれました。主席は生前に党活動と軍事活動をわたしに全面的にまかせられ、自身は対外活動と経済活動を直接、多く引きうけられました。

わが党は革命を指導する最高の政治組織です。党を強化し党の指導的役割をかぎりなく高めることは、人民大衆を党のまわりに固く結集して革命の主体を強化し、革命と建設をまっすぐ勝利の道に導くための決定的な保障です。党隊列をしっかりと整え、党の指導を正しく保障してこそ、社会主義経済建設もりっぱにおしすすめることができ、国家建設と文化建設もみなよくおこなうことができます。

人民軍を強化する活動もたいへん重要です。主席は武力建設を革命の根本問題としてとらえ、抗日革命闘争時期にまず朝鮮人民軍を創建して祖国光復のための武装闘争を展開し、解放後も人民軍を強化するための活動につねに優先的な関心をはらってきました。革命武力による軍事的保障がなくては平和的な経済建設や国家建設もりっぱにできず、国家と人民の安全を守ることもできません。わたしは主席が任命してくれた革命武力の最高司令官として、人民軍を強化する活動をもっとも重要な革命任務と考えています。

われわれは現在、非常に複雑な情勢のなかで社会主義偉業を固守し完成させるための困難な闘争をくりひろげています。強力な党、強力な軍隊がなくてはわが革命の勝利について考えることができません。今日、われわれが帝国主義者と反動の反共和国、反社会主義策動が激化している条件のなかでもびくともせず社会主義偉業を固守し、国の栄誉と尊厳を堂々と守っているのは、まさにわが党が威力があり、われわれに不敗の革命武力があるからです。わが革命の前途の勝敗も結局は革命の参謀部であるわが党をどのように強化し、党の革命武力である人民軍をいかに強化するのかにかかっています。

それゆえ、わたしは主席の生前の意図をうけとめて、わが党と人民軍を強化する活動に全力を尽くすことが革命に貢献する正しい道であると確信しています。

わたしが万一、国家の行政職責までひきうけるならば、さまざまな立法的、行政経済的実務にかかわらなくてはならず、そうなるとおのずと党活動や軍事活動から遠ざかることになります。このようになるのはよくありません。

わたしが国家の行政経済活動まで直接ひきうけることによってすべての活動がみなよくできるものでもなく、国家の行政経済活動にたいする党の指導がさらに保障されるのでもありません。国家の立法、行政機関を含めて、わが国のすべての機関はみなわが党の指導のもとに党の路線と政策にもとづいて活動します。党を強化して党の唯一的指導を徹底的に保障するならば、党活動だけでなく国家の全般的活動もみなりっぱに推し進めることができます。

それゆえ、わが国で主席制をなくし、主権機関の機構体系を改めることについての問題を、今度開かれる最高人民会議の審議に提起して、最高人民会議で憲法の該当部分を修正する立法的措置をとるようにしなくてはなりません。

わたしはすべての幹部と党員、人民が、わたしの意見に賛同してくれるものと信じます。